ノバルティス ファーマは1月20日、根治切除不能または転移性の腎細胞癌の治療薬としてエベロリムス(開発コード:RAD001)の製造販売承認を獲得したと発表した。VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬の投与後に、疾患が進行した腎癌患者に対する新しい治療薬となる。

 エベロリムスは、癌の増殖、成長、血管新生の調節因子であるmTORを持続的に阻害することで、腫瘍細胞の増殖抑制と血管新生阻害を行い、抗腫瘍効果を発揮すると考えられている。

 国内承認には、「製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること」「腎細胞癌の診断、化学療法に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること」が承認条件として付けられた。

 エベロリムスの転移性腎細胞癌に対する有効性は、RECORD1というフェーズ3臨床試験で明らかにされている。この試験は、VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療が無効となった転移性腎細胞癌患者を対象とし、日本を含む10カ国、400人以上が参加した。結果は、エベロリムスがプラセボに比べ、無増悪生存期間の
中央値を有意に延長(プラセボ群1.9カ月に対し4.9カ月、p<0.0001、HR=0.33。2008年2月カットオフデータ)し、癌の進行リスクを67%減少させた。

 エベロリムスについては、膵内分泌腫瘍、乳癌、胃癌、リンパ腫を対象にしたフェーズ3試験が、わが国でも行われている。