武田薬品工業と米Millennium社は1月4日、多発性骨髄腫の治療薬であるプロテアソーム阻害剤ベルケイド」(一般名;ボルテゾミブ)の新薬追加申請(sNDA)を、米食品医薬品局(FDA)が承認したと発表した。sNDAには、フェーズ3試験であるVISTAで得られた生存改善データが含まれており、承認によりベルケイドの添付文書に生存改善データが追加される。

 さらにFDAは、米国立がん研究所(NCI)で行われている試験の結果から、軽度の肝障害を有する患者ではベルケイドの投与量に調整は不要だが、中等度もしくは重度の肝障害では減量した投与量から治療を開始し、毒性に関し綿密なモニタリングを要するとした勧告についても承認した。 

 生存改善データが得られたVISTA試験は、未治療の多発性骨髄腫患者682人を対象に、標準治療であるメルファランとプレドニゾンの併用(MP療法群)と、メルファランとプレドニゾンにボルテゾミブの追加(VcMP療法群)を比較した。

 追跡期間中央値36.7カ月で、主要評価項目である病勢進行までの期間(TTP)はVcMP療法群が24カ月、MP療法群が17カ月、副次的評価項目である寛解率はそれぞれ69%、34%、完全寛解率は35%、5%で、無増悪生存期間(PFS)は18.3カ月、14カ月だった。

 また、MP療法群に比べて、VcMP療法群では生存期間が有意(p=0.0008)に改善し、ボルテゾミブの追加で死亡リスクは35%低下することが示された(ハザード比0.65)。全生存期間の中央値は、VcMP療法群では到達しなかったが、MP療法群では43.1カ月だった。

 VcMP療法における安全性は、ボルテゾミブとMP療法で報告されていた安全性プロフィールと一致していた。主な有害事象は表1のとおり。

 ベルケイドは日本でも2006年に、再発または難治性の多発性骨髄腫を対象疾患として承認されている。

表1 主な有害事象

有害事象VcMP療法群MP療法群
血小板減少52%47%
好中球減少49%46%
吐き気48%28%
末梢性神経障害47%5%
下痢46%17%
貧血43%55%
便秘37%16%
神経痛36%1%
白血球減少33%30%
嘔吐33%16%
発熱29%19%
倦怠感29%26%
リンパ球減少24%17%
食欲不振23%10%
無力症21%18%
21%13%
不眠症20%13%
末梢性浮腫20%10%
発疹19%7%
背部痛17%18%
肺炎16%11%
めまい16%11%
呼吸困難15%13%
頭痛14%10%
四肢痛14%9%
腹痛14%7%
知覚異常13%4%
帯状疱疹13%4%
気管支炎13%8%
低カリウム血症13%7%
高血圧13%7%
上腹部痛12%9%
低血圧12%3%
消化不良11%7%
鼻咽頭炎11%8%
骨痛11%10%
関節痛11%15%
痒み10%5%