米Pfizer社は2009年12月29日、進行性の非小細胞肺癌(腺癌を除く)患者のファーストライン治療に用いる治験薬figitumumab(CP-751,871)の効果を検討するフェーズ3試験、A4021016を中止することを発表した。

 figitumumabは完全ヒトモノクローナル抗体で、インスリン様成長因子1受容体(IGF-1R)の経路を極めて特異的に阻害することにより、腫瘍細胞の制御不能な増殖と生存を抑制する。

 この試験の主要評価項目は、パクリタキセル+カルボプラチンにfigitumumabを併用する群がパクリタキセル+カルボプラチンの群よりも全生存期間を改善することであったが、データ安全性監視委員会(DSMC)の解析により、その可能性は見込めないことが分かった。2009年9月には、figitumumabを投与する群に無作為化された患者に不慮の死などが発生し、治療群の間に特定の重篤な有害事象の明らかな不均衡があることにDSMCが注目し、この試験の新たな患者登録が中止されていた。

  A4021016はフェーズ2試験の確固とした結果に基づいて開始されていた。フェーズ2試験では、非腺癌では最も多いが未解決の医学的ニーズが高い扁平上皮癌の患者が、figitumumabによる治療でベネフィットが得られる可能性があることが確認されている。

 Pfizer社Oncology Business UnitのMace Rothenberg氏は「今回の結果には失望したが、私たちは得られた情報を生かし、非小細胞肺癌に対するfigitumumabの今後の試験デザインを高めていく。化学療法にfigitumumabを併用することでベネフィットを得られる可能性がある患者のサブセットを明らかにできると期待している」と話している。

 A4021026は世界的なフェーズ3試験のプログラム、ADVIGO(ADVancing IGF-1R in Oncology)の一部である。ADVIGOにはこの試験の他に、治療抵抗性の進行性の非小細胞肺癌(腺癌を除く)を対象として、エルロチニブ+figitumumabとエルロチニブ単剤を比較するA4021018や、非小細胞肺癌のファーストライン治療として、シスプラチン+ゲムシタビンにfigitumumabを併用し評価するA4021027などが含まれている。

 Pfizer社は、NSCLCに加えて前立腺癌や乳癌、ユーイング肉腫などの癌の治療に関する臨床試験において、figitumumabの検討を続けている。