中外製薬は2009年12月25日、スイスHoffmann-La Roche社が、HER2 陽性の転移性胃癌(胃または胃食道接合部の転移性腺癌)患者に対し標準的な化学療法とトラスツズマブの併用について、欧州医薬品審査庁(EMEA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)が肯定的な見解を発出したと発表した。

 Roche社の申請は、国際共同臨床試験であるToGA試験のデータに基づいて行われた。わが国もToGA試験に参加しており、2010年に申請する予定であることが公表されている。

 ToGA試験は3807人の患者からHER2陽性の810人を選び出し、さらにその中から進行胃癌患者584人を2群に分けて行われた。標準療法のみ群(290人)は、5FUまたはカペシタビンにシスプラチンを投与された。標準療法に加えてトラスツズマブを投与された群は、294人で構成された。

 カペシタビンは、1日2回1000mg/m2を3週間置きに1日目から14日目まで投与することを6回繰り返した。5FUは、3週間置きに1日当たり800mg/m2を1日目から5日目まで持続静注することを6回繰り返した。シスプラチンは3週間置きに80mg/m2を6回投与した。トラスツズマブは最初の1回は8mg/kgを投与し、その後は増悪するまで3週間置きに6mg/mgを投与し続けた。

 主要評価項目は全生存期間(OS)で、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、増悪までの時間(TTP)、臨床利益率、安全性などだった。

 試験の結果、全生存期間中央値は標準療法のみ群が11.1カ月だったのに対して、トラスツズマブを加えた群は13.8カ月で、ハザード比0.74(95%信頼区間;0.60-0.91、p=0.0046)で統計学的に有意に延長していた。副次評価項目であった無増悪生存期間中央値は、標準療法のみ群が5.5カ月だったのに対して、トラスツズマブを加えた群は6.7カ月で、ハザード比0.71(95%信頼区間;0.59-0.85、p=0.0002)で統計学的に有意に延長していた。

 抗腫瘍効果は完全奏効(CR)が標準療法のみ群で2.4%、トラスツズマブを加えた群で5.4%、部分奏効(PR)が標準療法のみ群で32.1%、トラスツズマブを加えた群で41.8%で、奏効率は標準療法のみ群が34.5%、一方のトラスツズマブを加えた群は47.3%となった。