米OSI Phamraceuticals社と米Genentech社は12月16日、米食品医薬品局(FDA)の抗癌剤諮問委員会(ODAC)が上皮成長因子受容体(EGFR)阻害薬であるエルロチニブ(商品名:タルセバ)の適応拡大をFDAに推薦しないと決めたことを明らかにした。

 ODACは、12対1という投票結果をもって、進行性または転移性の非小細胞肺癌で、プラチナ製剤を用いた第一選択治療後に進行または転移が見られない患者に対する維持療法(化学療法によって得られた利益を維持するために継続する治療)の第一選択としてエルロチニブを用いることを支持しなかった。FDAは、2010年6月18日までに判定を下すことになる。

 ODACは、両社が自信を持って提出したSATURN試験のデータを審査した結果、否定的な判断を行った。この国際的な二重盲検の無作為化フェーズ3は、進行した非小細胞肺癌患者を約160施設で889人登録、全員にプラチナ製剤を用いた標準的な第一選択治療を行い、進行が見られなかった患者を治療終了後にエルロチニブまたは偽薬に割り付けた試験だった。

 主要評価項目は、維持療法としてエルロチニブを用いた場合と偽薬を投与した場合の無増悪生存期間とし、主な副次的評価項目は全生存期間に設定された。これらはいずれも、エルロチニブ群で有意に良好だった。

 無増悪生存期間の中央値は、エルロチニブ群が12.3週、偽薬群が11.1週で、ハザード比は0.71(p<0.0001)。

 エルロチニブは、EGFR経路を阻害する癌治療薬であるため、腫瘍にEGFRの過剰発現がある患者における無増悪生存期間も主要評価項目として評価されていた。中央値は、エルロチニブ群12.3週、偽薬群11.1週で、ハザード比は0.69(p<0.0001)。

 副次的評価項目の1つに設定された全生存期間は、それぞれ12.0カ月と11.0カ月で、ハザード比は0.81(p=0.0088)。

 なお、これまでに行われたエルロチニブに関する臨床試験で見られていない、新たな有害事象は認められなかった。

 両社はODACの判断に失望を露わにしながら、経口投与できる忍容性の高い薬剤を用いた維持療法は進行肺癌の治療に重要な進歩をもたらすはずだとし、今後も承認に向けた可能性を探るつもりであることを明らかにした。