ベバシズマブを含む化学療法で治療した大腸癌肝転移患者において、CT画像に基づく形態学的な基準は、病理学的奏効および全生存期間と有意に相関することが予備研究の結果から示された。米M.D.アンダーソンがんセンターのYun Shin Chum氏らが報告したもので、The Journal of the American Medical Association(JAMA)誌2009年12月2日号に掲載された。

 細胞傷害性化学療法にベバシズマブを併用する治療は、ステージIVの大腸癌患者の生存期間の改善と、大腸癌肝転移の切除手術を受けた患者の病理学的奏効率の上昇に関与することが示されている。ただ、CT画像による腫瘍縮小の評価については、腫瘍のサイズで評価するRECIST基準では、細胞増殖抑制性の作用メカニズムを持つ生物学的製剤の評価に限界があることが指摘されていた。

 Chum氏らは、ベバシズマブを含む化学療法で治療した大腸癌肝転移の患者において、CT画像上の形態学的変化に基づく新しい腫瘍奏効の基準を提唱し、その妥当性を検証した。

 この研究では、2004〜2007年に術前化学療法としてベバシズマブを含むレジメンで治療後、大腸癌肝転移に対して肝切除を行った患者50人、234転移を解析した。最終のフォローアップは2008年3月。術前化学療法の開始時と終了時に50人全員の造影CTを撮影した。

 CT画像の評価は3人の放射線科医が盲検下に実施。境界が不鮮明で不均質な病変から、鮮明な境界を有する均質で減弱した病変への変化を転移巣の形態学的変化とし、各転移巣でその変化の有無を確認した。同様の検討は、ベバシズマブを含む化学療法で治療した切除不能な大腸癌肝転移の患者82人のコホートでもなされた。

 形態学的変化を確認した割合によってスコアリングしたところ、放射線科医3人の見解は合致した。また、切除標本における残存腫瘍細胞の割合は、最適な形態学的奏効が認められた場合は20%、不完全な奏効が認められた場合は50%、奏効が認められなかった場合は70%だった(p<0.001)。一方のRECIST基準では、この割合は部分奏効30%、安定状態50%、進行70%だった(p=0.04)。

 肝切除を行った患者では、最適な形態学的奏効が認められた場合は全生存期間の中央値には到達していなかった。形態学的奏効が不完全または認められなかった場合は25カ月だった(p=0.03)。

 切除不能なコホートでは、最適な形態学的奏効が認められた場合は全生存期間の中央値は31カ月、形態学的奏効が不完全または認められなかった場合は19カ月だった(p=0.009)。

 なお、RECIST基準は、切除したコホートと切除不能のコホートのいずれにおいても生存と相関しなかった。