米Exelixis社は11月17日、進行性の固形癌患者を対象とするパクリタキセル+カルボプラチンとXL147(SAR245408)の併用について、現在進行中のフェーズ1増量試験の中間データで有望結果が得られていると発表した。データは、11月15日から19日まで米国ボストンで開催されたAACR-NCI-EORTC国際会議“MOLECULAR TARGETS and CANCER THERAPEUTICS”で米M.D. Anderson Cancer CenterのJennifer Wheler氏が発表した。

 XL147はフォスフォイノシチド3-キナーゼ(PI3K)を選択的に標的とする経口薬。PI3K経路の活性化はヒトの癌細胞中で多くみられ、癌細胞の増殖や生存を促進し、化学療法や放射線療法に対する抵抗性を増やす。パクリタキセル+カルボプラチンに対する抵抗性についても、PI3K経路の活性化と相関することが確認されている。

 XL147は、PI3K経路を阻害することで腫瘍の増殖を阻害し、上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とする薬剤や細胞傷害性薬剤の活性を増強する。

 今回のフェーズ1試験は、21日のサイクルで1日目に静脈内投与するパクリタキセル+カルボプラチンと、毎日投与するXL147の増量について評価している。

 試験のパートAでは、子宮内膜癌と卵巣癌の患者における最大耐量(MTD)まで、パクリタキセルとカルボプラチンをそれぞれ175mg/m2とAUC 6まで増量する。パートBでは、非小細胞肺癌(NSCLC)の患者におけるMTDまで、パクリタキセルとカルボプラチンをそれぞれ225mg/m2とAUC 6に増量する。

 2009年10月22日の時点で、進行性の固形癌患者16人が登録されている。腫瘍の種類には乳癌、頸部癌、外陰部癌などで、XL147は600mgまで、カルボプラチンはAUC 6まで、パクリタキセルは175mg/m2までの6段階の用量レベルで治療が行われている。MTDはまだ確認されていない。

 同日までに15人で有効性の評価が可能で、4人に部分奏効(PR)を認めた。腫瘍の縮小の最大は、扁桃癌で63%、頸部癌と食道癌で各45%、舌癌で70%だった。PRを認めた4人全員が白金系抗癌剤を含むレジメンでの治療歴があった。

 さらに白金系抗癌剤の治療歴がないトリプルネガティブの炎症性乳癌の患者では、2サイクルの治療後に皮膚病変の退縮を認めた。病変の測定が可能な14人中9人で、放射線学的に最高の奏効として腫瘍の縮小を認めた。ベースライン後のスキャンが入手でき評価可能な14人中12人は、12週以上治療を継続し、うち4人は24週以上治療を継続した。

 予備的な薬物動態の解析では、XL147、パクリタキセル、カルボプラチンを併用投与した場合の薬物動態は、それぞれの単剤投与と同様であることが示されている。併用投与した場合の腫瘍組織のPI3K経路に対する薬理学的調節作用も、XL147単剤のフェーズ1試験におけるPI3Kの阻害作用と一致した。

 試験では15人の安全性が評価されており、用量制限毒性は認められなかった。試験に関連すると考えられるグレード4の血小板減少が1人に発現した。5人でカルボプラチンとパクリタキセル、またはそのどちらかを減量したが、XL147の減量は報告されなかった。そのほかの治療関連の有害事象で患者の20%以上に発現したのは、好中球減少(53%)、疲労(53%)、貧血(47%)などだった。