抗血管内皮成長因子抗体製剤「アバスチン」(ベバシズマブ)を単剤、またはイリノテカンと併用で、再発性または進行性の膠芽細胞腫患者に適用することを目指した承認申請に対し、欧州医薬品審査庁(EMEA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)は否定的な見解を示した。スイスHoffmann-La Roche社が11月20日、発表した。

 膠芽細胞腫は、原発性の悪性脳腫瘍の中では最も悪性度が高いものの1つ。米国では2009年5月に同様の申請が認められ、治療歴のある膠芽細胞腫患者の治療にベバシズマブを用いることが可能になっている。

 この申請の中心になったのは欧米ともに、フェーズ2試験であるBRAIN試験(AVF3708g)の結果だ。

 CHMPは、承認を支持しなかった主な理由として、フェーズ2試験にベバシズマブ非投与の対照群が設けられなかったことを挙げた。また、CHMPは通常、フェーズ3試験の結果のみを分析して承認を推薦するかどうかを決定するが、スイスRoche社はBRAIN試験の結果はベバシズマブの利益を明瞭に示していると確信し、ほかの複数の国と同様に欧州でも、BRAIN試験の結果に基づいて承認申請を行っていた。

 BRAIN試験の結果はJournal of Clinical Oncology誌2009年10月号に報告されている。

 この試験は、オープンラベルの多施設無作為化試験で、第一選択治療または第二選択治療(全員がテモゾロミド投与と放射線治療を経験済み)の後で再発した167人の患者を登録。ベバシズマブを単剤で投与する群(85人)とイリノテカンと併用する群(82人)に割り付け、最高104週間継続した。評価項目は6カ月時点の無増悪生存率と客観的奏効率などとしていた。

 スイスRoche社は現在、膠芽細胞腫と新しく診断された患者を対象とした大規模なフェーズ3試験であるAVAGLIOを実施中だ。この二重盲検無作為化試験は、ベバシズマブを標準治療(テモゾロミド+放射線治療)と併用した場合の有効性と安全性の評価を目的とし、900人を超える患者を登録する予定だ。主要エンドポイントは無増悪生存率、全生存率に設定している。

 欧州においては、AVAGLIO試験の結果を待って、膠芽細胞腫を対象とするベバシズマブの承認を目指すという。