欧州医薬品審査庁(EMEA)の医薬品委員会(CHMP)は、上皮成長因子受容体(EGFR)を発現している進行性または転移性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者の治療として白金系抗癌剤を含む化学療法との併用で、セツキシマブ(商品名:アービタックス)を使用することに対し、否定的な見解を採択した。ドイツMerck Serono社が11月19日、発表した。

 欧州では肺癌は癌による死因の第1位で、すべての癌による死亡の20%を占める。中でもNSCLCは肺癌の約80%を占めている。

 セツキシマブは活性が高いIgG1モノクローナル抗体で、大腸癌に対し77カ国、頭頸部扁平上皮癌に対し72カ国で販売承認されている。EGFRに特異的に結合することで、その活性化と後に続くシグナル伝達を阻害し、正常組織への腫瘍細胞の浸潤と新しい部位への腫瘍の拡大を抑えられる。最も頻度が高い副作用はざ瘡様皮疹で、治療効果と相関すると考えられている。

 大規模な無作為化フェーズ3試験であるFirst-Line ErbituX in lung cancer(FLEX)試験において、NSCLCに対するセツキシマブの有効性と全生存期間の顕著な延長が証明されており、「欧州のNSCLC患者がセツキシマブによるベネフィットを得られなくなることに失望を隠せない」とMerck Serono社はしている。

 なお、さまざまな癌腫への適用の可能性を検討している臨床試験を含め、セツキシマブの臨床開発プログラムは続けていくとしている。