サーバイビンに対するアンチセンス医薬品LY2181308について、日本で行なわれたフェーズ1試験の結果が明らかとなった。患者での安全性が確認され、1人の患者で安定状態が確認された。薬物動態も海外における結果と同様だった。成果は11月15日から19日まで米国ボストンで開催されたAACR-NCI-EORTC国際会議“MOLECULAR TARGETS and CANCER THERAPEUTICS”で、国立がんセンター中央病院の軒原浩氏によって発表された。

サーバイビンは細胞死の一種であるアポトーシスを抑制する働きを持つ。癌細胞は、サーバイビンを発現することで、細胞死を回避している可能性が指摘されている。

 フェーズ1臨床試験はLY2181308の投与量を3段階に分けて行なわれた。14人(男性11人)の固形癌患者が登録され、400mg群に4人、600mg群に4人、750mg群に6人が登録された。患者の年齢中央値は60歳(44-73)で、肺癌患者が最も多く6人を占め、次に多かったのが膵癌患者4人だった。投与は1サイクル目だけ連続した3日間毎日行なわれ、その後8日目からは週に1回静脈内投与された。

 用量制限毒性(DLT)は750mg群の患者1人で認められ、グレード3のALT/AST/γ-GTPの上昇だった。

 多く認められた副作用は、多汗症、プロトロンビン時間比上昇、発熱で、ほとんどのものがグレード1か2だった。治療関連死や副作用による試験中断もなかった。1件の重篤な副作用として600mg群の膵癌患者のグレード3の血中ビリルビン上昇があったが、病状の進行によるもので、薬剤とは関係ないとされた。

 抗腫瘍効果については、評価可能な癌部を持つ12人のうち、11人は病状が進行し、1人の患者で安定状態が得られた。

 現在、タキサン系抗癌剤とLY2181308を前立腺癌を対象に併用する臨床試験が米国で行われているという。