日本における進行胃癌に対するファーストラインであるS-1とシスプラチンの併用に、ソラフェニブ投与を加えると抗腫瘍効果は認められるが、副作用も強く出て、継続が難しいことが明らかとなった。国内で行なわれたフェーズ1試験の結果、示されたもの。11月15日から19日まで米国ボストンで開催されたAACR-NCI-EORTC国際会議“MOLECULAR TARGETS and CANCER THERAPEUTICS”で、国立がんセンター中央病院の山田康秀氏が発表した。

 山田氏は「手足皮膚反応などがあまりにも多すぎる。マルチターゲット型のチロシンキナーゼ阻害剤の併用は難しいかもしれない」と語った。

 フェーズ1試験は3群に分けて行なわれる予定だったが、コホート2、3で予定していた、S-1とシスプラチンの投与用法用量が、FLAGS試験と同一であったため、S-1とシスプラチンの投与用法用量がSPIRITS試験と同じコホート1のみで試験が行われた。

 2008年5月から2009年1月まで未治療の進行胃腺癌患者13人(男性が10人)が登録された。患者には5週間を1サイクルとして、ソラフェニブは1日目から35日目まで1日2回400mg、S-1は1日目から21日目まで40mg/m2を1日2回投与、シスプラチンは8日目に60mgを投与された。患者の年齢中央値は61歳(41-72)で、全身状態はPS 0が9人で、PS 1が4人だった。

 効果は5人の患者で部分奏効が得られ、8人の患者が安定状態となった。

 副作用は多く発現した。10人以上で発現した副作用は、好中球減少症(92%)、血小板減少症(92%)、皮疹/落屑(100%)、食欲不振(100%)、手足皮膚反応(85%)、吐き気(85%)、倦怠感(77%)、リパーゼ上昇(77%)だった。3人以上の患者で発現したグレード3/4の副作用は、好中球減少症(54%)、貧血(23%)、リパーゼ上昇(62%)、手足皮膚反応(23%)、倦怠感(23%)、アミラーゼ上昇(23%)だった。5サイクル以上投与できた患者は6人だった。2人の患者は1サイクルの治療も完遂できなかった。