PSA(前立腺特異抗原)値の上昇は、副甲状腺ホルモンによって引き起こされる場合があって、必ずしも前立腺癌であるかどうかを確認するための前立腺生検の必要性を示すわけではないという、米ウェイクフォーレスト医科大学のGary G. Schwartz 氏らの研究結果が、Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌11月号(2009;8,11,2869-2873)に掲載された。

 PSA値の測定は、前立腺癌のスクリーニング検査として普及しているが、「前立腺癌より、むしろ副甲状腺ホルモンの増加のためにPSA値が上昇している男性が少なくないようだ」とシュワルツ氏。

 この研究では40歳以上の1273人の男性のデータを分析した。男性は2005年から2006年に行われた米国の国家健康栄養検査調査の登録者で、調査時点で前立腺の感染症や炎症はなく、前立腺癌の病歴もなかった。

 年齢やBMI(体格指数)で調整後に、血液中の副甲状腺ホルモン値とカルシウム濃度が高いほど、PSA値が高くなることが分かった。なお、副甲状腺ホルモンは血液中のカルシウム濃度を制御する働きを持つ。

 副甲状腺ホルモンのレベルが正常範囲高値の男性は、正常範囲低値の男性と比較して、PSA値が43%高かった。これは、多くの場合で泌尿器科医から前立腺生検を推薦されるレベルである。

 最近の研究では、副甲状腺ホルモンが前立腺の癌細胞の増殖を促進させることも示されているが、この研究は、副甲状腺ホルモンが前立腺癌でない男性においても前立腺細胞の成長を促すことを初めて示した。