組織が密集した“濃い乳房”をもつ女性は、乳癌の再発リスクも高くなるという、カナダのトロント大学ウーマンズカレッジ研究所のSteven A. Narod 氏らの研究結果が、11月9日付けのCancer誌電子版に掲載された。なお、濃い乳房をもつ女性で乳癌の発症リスクが高いことは、すでに報告されている。

 この研究では、乳房温存療法で腫瘍摘出手術を受けていて、治療前のマンモグラフィ画像(胸部X線写真)が入手できた 335人の浸潤性乳癌患者(平均年齢63.5歳)のカルテを調べた。

 患者の乳房の組織密度を、低密度(組織密度が25%未満)、中密度(同25〜50%)、高密度(同50%超)の3群に分類して、乳癌の局所性再発を比較している。

 手術後10年間に最初の乳癌と同じ乳房でみられた再発は、高密度群で21%、中密度群で13%、低密度群で5%だった。高密度群の局所性の再発リスクは、低密度群の 5.7倍となった。

 組織密度別の再発率の差は、特に手術後に放射線療法を受けなかった女性で顕著だった。10年間に高密度群の40%が再発したが、低密度群では再発がなかった。

 「この結果は、低密度の乳房をもつ女性は再発リスクが低く、手術後の放射線療法を必要としないかもしれないが、高密度の乳房をもつ女性は、手術後の放射線療法から大きな恩恵を得ることを示している」とNarod 氏は述べている。