米Antigenics社によると、同社の癌ワクチン「Oncopharge」を再発性神経膠腫の患者に適用したフェーズ2試験の最新結果が、米神経腫瘍学会と二つの脳神経外科学会、AANS(American Association of Neurological Surgeons)とCNS(Congress of Neurological Surgeons)の合同年次総会で10月24日に報告された。

 「Oncopharge」(vitespen)をグレードIIIまたはIVの再発性神経膠腫の患者に適用したフェーズ2試験の最新データを発表したのは、米California大学San Francisco校脳腫瘍研究センターのAndrew T. Parsa氏ら。

 オープンラベルで行われたシングルアームの試験は、約50人の患者の登録を予定していた。評価指標は、全生存期間、無増悪生存期間、ワクチンに対する免疫反応に設定されていた。

 今回公表されたのは、初期に登録された20人のデータ。分析時点の生存期間の中央値は10.1カ月で、現在も6人の追跡が続いており、全員が12カ月以上生存しているという。

 試験の対象となった患者の生存期間は、過去のデータに基づいて6.5カ月程度と予想されていた。また、同様の患者を対象に行われたベバシズマブ(商品名:アバスチン)の臨床試験で得られた生存期間の中央値は9.2カ月と報告されており、中間解析で既にそれらの値を超えたことになる。

 これまでに見られた有害事象は、注射部位の反応、疲労感、頭痛などで、いずれも軽症だった。治療に由来すると見なされる重症有害事象や毒性は報告されていない。

 この臨床試験は先ごろ、実施施設を増やし、新たに患者登録を開始した。データの蓄積によって、さらに「Oncopharge」の利益が確認されることになるだろう。

 「Oncopharge」は、患者から切除された腫瘍組織を元に作製されるテイラーメイドのワクチン。進行が見られるまで、または容認できない毒性が表れるまで、もしくはワクチンを使い切ってしまうまで、当初4週間は週1回、その後は隔週で投与される。

 この製品は、神経膠腫を対象に米国と欧州でオーファンドラッグ指定を得ている。