慢性期の慢性骨髄性白血病(CML)に対するニロチニブ(製品名:タシグナ)の一次治療は、イマチニブ(製品名:グリベック)に比べて、原因遺伝子であるBcr-Ablを速やかに、かつ低レベルにまで減少させることがフェーズ3試験で明らかになった。スイスNovartis社が10月20日に発表した。

 ニロチニブは経口投与できる新規チロシンキナーゼ阻害剤で、白血病の原因であるBcr-Abl蛋白のチロシンキナーゼ活性を阻害する。日本では2009年1月21日、イマチニブ抵抗性の慢性期または移行期CMLの治療薬として製造販売が承認されている。

 フェーズ3試験は、ENESTnd(Evaluating nilotinib Efficacy and Safety in clinical Trials of newly diagnosed Ph+ CML patients)と名づけられた多施設共同無作為化オープンラベル試験。フィラデルフィア(Ph)染色体陽性の慢性期CML患者を対象に、ニロチニブとイマチニブの有効性と安全性を比較する試験で、220施設846人が登録された。

 ニロチニブ400mgを1日2回投与する群(281人)とニロチニブ300mgを1日2回投与する群(282人)、イマチニブ400mgを投与する群(283人)に無作為に分けて比較した。

 従来、CML治療の効果判定には、血液学的完全寛解(CHR)や細胞遺伝学的寛解(MCyR)、細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)が用いられてきた。今回の試験では、高感度の測定法による分子遺伝学的寛解(MMR)を主要評価項目としているのが特徴。

 主要評価項目は治療開始12カ月時点のMMR、副次評価項目は12カ月時点のCCyRとした。MMRは骨髄あるいは血液中のBcr-Abl遺伝子が0.1%以下であること、CCyRは骨髄あるいは血液中のPh染色体が消失した状態を示す。

 この結果、ニロチニブはイマチニブに比べて、Bcr-Abl遺伝子を速やかに、かつ低レベルにまで減少させることが示され、主要評価項目と副次評価項目が達成されたという。試験の詳細な結果は12月に米国で開催のAmerican Society of Hematology (ASH)で報告される予定だ。