乳房温存手術と放射線治療を受けた非浸潤性乳管癌(DCIS)患者では、診断時の年齢が44歳以下の場合、45歳から50歳の患者に比べ、再発のリスクが2倍近く高いことが、カナダで行われた大規模研究の結果明らかとなった。10月8日から10日に米国サンフランシスコで開催された2009 Breast Cancer SymposiumでカナダSunnybrook Health Science CentreのIwa Kong氏が発表した。

 DCISは新たに診断される乳癌の20%から40%を占め、乳房温存手術と術後の放射線療法によって、10年時点での再発率は9%から12%と低いことが知られている。若年層で再発率が高いとする報告もあるが、実際のところは明らかになっていなかった。

 Kong氏らは1994年から2003年にカナダ・オンタリオ州でDCISと診断された患者の経過をレトロスペクティブに解析した。DCISと診断された患者の総数は5744人で、1659人が診断時に50歳以下、このうち624人が乳房温存手術と術後の放射線治療を受けた。40歳未満が70人、40歳から44歳が198人、45歳から50歳が356人だった。

 フォローアップ期間の中央値は7.8年で、全体で96人(15.4%)が局所再発を起こした。年齢階級別にみると、40歳未満の患者の再発率は20%(14人)、40歳から44歳の患者は19%(38人)、45歳から50歳は12%(44人)だった。45歳から50歳を1.00として調整ハザード比を求めたところ、40歳未満で1.83(95%信頼区間:1.00-3.36)、40歳から44歳で1.64(95%信頼区間:1.06-2.53と、44歳以下の患者の再発率が45歳から50歳の再発率よりも有意に高かった。

 浸潤性乳管癌の再発に限定すると、40歳未満は9人(13%)、40歳から44歳は23人(12%)、45歳から50歳は29人(8%)だった。45歳から50歳を1.00として調整ハザード比を求めたところ、40歳未満で1.91(95%信頼区間:0.90-4.05)、40歳から44歳で1.52(95%信頼区間:0.88-2.62)となった。

 Kong氏は、若年者の再発リスクが高いことについて「原因は不明」とし、今後この差の原因と最良の治療法を模索するために更なる研究が必要とした。さらに今回の結果から、若年者には、切除範囲を広げるといった拡大手術を行うべきということにはならないことも強調した。