エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体の両方あるいはエストロゲン受容体のみを発現した閉経後転移性乳癌患者に、ファーストライン治療として、アロマターゼ阻害剤のレトロゾールと情報伝達経路阻害剤のイマチニブを併用すると、奏効率は、既に報告されているレトロゾール単独投与の場合と差はないが、腫瘍の増悪までの期間の中央値は単剤よりも長い傾向を示すことが、フェーズ2試験で示された。成果は10月8日から10日に米国サンフランシスコで開催された2009 Breast Cancer Symposiumで米Texas大学M.D.Anderson Cancer CenterのB.Arun氏が発表した。

 レトロゾールは閉経後のホルモン受容体陽性乳癌で有効であることが知られているが、しばしばホルモン療法抵抗性を引き起こすことが知られている。この抵抗性には細胞内情報伝達系の活性化が原因の1つではないかと考えられている。

 フェ−ズ2試験はホルモン受容体陽性の4期の閉経後の乳癌患者45人を対象に行われた。エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体ともに陽性が32人(71%)、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陰性が12人(27%)、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体不明が1人(2%)だった。93.3%にあたる42人がHER2陰性だった。年齢中央値は61歳(41〜82歳)で、術後補助療法としてホルモン療法を受けたことのある患者が21人(46%)、術前、術後の補助療法として化学療法を受けた患者は全員だったが、転移巣に対する化学療法を受けた患者はいなかった。

 投薬はレトロゾールは毎日2.5mgとし、イマチニブは最初の3人の患者は1日2回300mgを投与し、残りの42人は1日2回400mgとした。

 試験の結果、フォローアップ期間中央値が23.1カ月で、完全奏効(CR)は0人、部分奏効(PR)は10人(22%)だった。CR、PR、安定状態(SD)が6カ月を超えて得られた患者は21人で、臨床利益率は47%だった。腫瘍が増悪するまでの期間の中央値は23.1カ月だった。

 グレード3/4の副作用で多かったのは倦怠感8人(18%)、下痢6人(13%)、皮膚毒性、浮腫、好中球減少症でそれぞれ5人(11%)だった。レトロゾールの単剤投与の場合に比べて、わずかに副作用は多かったが、許容範囲内だった。