腫瘍が小さくてリンパ節転移がなくても、HER2陽性乳癌には、術後補助療法として抗HER2抗体製剤トラスツズマブを化学療法と併用すると、無再発生存率が向上することが明らかとなった。トラスツズマブ投与を受けた群と受けなかった群の生存率をレトロスペクティブに解析した結果、示されたもの。10月8日から10日に米国サンフランシスコで開催されている2009 Breast Cancer Symposiumで米Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのHL McArthur氏が発表した。

 研究グループは2002年1月1日から2004年5月14日までに、「腫瘍2cm以下、リンパ節転移陰性、HER2陽性の乳癌」と診断され、トラスツズマブによる術後補助療法を受けていない患者108人(化学療法も受けていない患者は36人)と、2005年5月16日から2008年12月31日に同様に診断され、術後補助療法としてトラスツズマブ投与と化学療法を受けた患者149人を比較した。術後補助療法の差以外の患者背景は両群とも同様だった。

 術後補助療法としてトラスツズマブが投与された期間の平均は39週(9〜56週)で、解析時点で投薬を継続している患者は23%いた。生存に関するフォローアップ期間の中央値はトラスツズマブを投与しなかった群で5.6年、トラスツズマブと化学療法を行った群では2.0年だった。

 解析の結果、局所無再発生存率は、トラスツズマブを投与しなかった群で、1年目は97%、2年目は91%、3年目は90%だったのに対して、トラスツズマブ投与と化学療法を行った群で1年目は100%、2年目と3年目は99%だった。遠隔無再発生存率は、トラスツズマブを投与しなかった群で、1年目は99%、2年目は98%、3年目は95%だったのに対して、トラスツズマブ投与と化学療法を行った群では1年目から3年目まで100%だった。