ドイツBayer Healthcare Pharmaceuticals社と米Onyx Pharmaceuticals社は9月30日、米Northwestern大学が中心となって進めているフェーズ2の無作為化プラセボ対照試験の結果を発表した。局所進行性または転移性の乳癌でHER2陰性の患者にマルチキナーゼ阻害剤のソラフェニブ(商品名:ネクサバール)とパクリタキセルを併用し、主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)の改善傾向が示されたものの、有意差は得られなかった(p=0.09)。

 今回の試験には化学療法の治療歴がない患者237人が参加した。ソラフェニブ400mgを1日2回内服する群またはプラセボ群に無作為に割り付け、併用するパクリタキセルは90mg/m2で週1回の投与とし、3週投与後、1週休薬とした。

 ソラフェニブとパクリタキセルの併用について、安全性と忍容性のプロファイルは各薬剤の過去の試験結果と一致しており、新たな毒性は観察されなかった。

 最終的なデータの解析は、近く学会で発表される予定。副次的評価項目の全生存期間については患者のフォローアップが続けられている。

 今回の試験は、臨床開発プログラム、Trials to Investigate the Effects of Sorafenib in Breast Cancer(TIES)の一部として実施されている。TIESでは、進行性乳癌患者に対するさまざまな治療の設定について4件のフェーズ2大規模無作為化試験を進めている。

 そのうちの一つ、ソラフェニブとカペシタビンの併用については、局所進行性または転移性のHER2陰性の患者でPFSを74%延長し、プラセボ群と有意差が得られたことがすでに報告されている。忍容性は良好で新しい副作用はみられず、グレード3以上の治療関連の有害事象は手足症候群や下痢などであった。

 残る2件のうち、1件は、ソラフェニブをゲムシタビンまたはカペシタビンと併用するファーストライン治療として、あるいはベバシズマブで進行した後のセカンドライン治療として評価している。別の1件は、ソラフェニブをドセタキセルとレトロゾール、またはソラフェニブをドセタキセルまたはレトロゾールと併用するファーストライン治療として評価を進めている。