EGFR変異のある進行または再発非小細胞肺癌を対象とした日本のフェーズ3試験「WJTOG3405」で、ゲフィチニブによるファーストライン治療は標準的な化学療法(シスプラチンとドセタキセル)に比べて無増悪生存期間(PFS)が長いことが予備的な解析でわかった。この成績はアジアで行われたIPASS試験のサブ解析結果と類似していた。近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門の鶴谷純司氏らが、9月20日から24日にドイツ・ベルリンで開催された第15回欧州癌学会(ECCO)・第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表した。

 試験は、未治療のステージ3B/4もしくは再発の非小細胞肺癌で、75歳以下、EGFR変異(exon 19欠失、L858R)のある患者を、ゲフィチニブを投与する群と化学療法を行う群の2群に無作為に分けた。ゲフィチニブ群にはゲフィチニブ250mg/日を病勢進行まで投与した。化学療法群にはシスプラチン80mg/m2とドセタキセル60mg/m2を1日目に投与し、これを3週おきに3サイクルから最大6サイクル継続した。

 2009年7月までに36施設177人が登録され、条件を満たした172人について解析された。このうち再発の患者はゲフィチニブ群で40.7%、化学療法群が41.9%、女性がそれぞれ68.6%、69.8%、喫煙歴なしが70.9%、66.3%だった。

 主要評価項目であるPFSの中央値はゲフィチニブ群が9.2カ月、化学療法群が6.3カ月で、ハザード比は0.489(95%信頼区間:0.336-0.710)、p<0.001。フェーズ3試験のIPASS試験では、EGFR変異陽性のサブ解析で、ゲフィチニブ群のPFS中央値が9.5カ月、化学療法(カルボプラチンとパクリタキセル)群が6.3カ月と報告されており、今回のフェーズ3試験はこの結果と類似している。

 また奏効率はゲフィチニブ群(71人)が56.3%(95%信頼区間:44.0-68.0)、化学療法群(79人)は25.3%(同:16.2-36.0)だった。

 グレード3/4の血液学的毒性は化学療法群では好中球減少(84.1%)、白血球減少(48.9%)、貧血(17.0%)が見られたが、ゲフィチニブ群では認められなかった。グレード2/3/4の非血液毒性は、化学療法群では主に脱毛(22.7%)、倦怠感(29.5%)、ゲフィチニブ群では肝機能障害を示すAST上昇(28.6%)とALT上昇(44.8%)、さらに皮疹・痤瘡(43.6%)が見られた。

 最終的な生存期間の結果は来年2010年に報告される予定であるという。