フランスInstitut CurieのVeronique Dieras氏

 HER2陰性転移性乳癌に対し、化学療法とベバシズマブ併用のファーストライン治療は、年齢や転移部位の数、無病期間など、臨床的背景にかかわらず、無増悪生存期間PFS)を延長することが、フェーズ3 試験RIBBON-1のサブ解析で明らかになった。フランスInstitut CurieのVeronique Dieras氏(写真)らが、9月20日から24日までドイツ・ベルリンで開催されている第15回欧州癌学会(ECCO)・第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表した。

 RIBBON-1試験は、HER2陰性で局所再発もしくは転移性乳癌に対する化学療法を受けたことがない患者1237人を対象に行われた無作為化二重盲検試験。化学療法とベバシズマブ併用(以下、併用群)と化学療法とプラセボ併用(以下、非併用群)を比較した。化学療法には、カペシタビン、タキサン系製剤(ドセタキセル、パクリタキセル)もしくはアントラサイクリン系製剤が用いられた。

 主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の結果はすでに報告されている。カペシタビン投与の場合、ベバシズマブ併用群は8.6カ月、非併用群は5.7カ月、PFSのハザード比が0.69(95%信頼区間:0.56-0.84、p=0.0002)。タキサン系製剤かアントラサイクリン系製剤の場合、併用群のPFSは9.2カ月、非併用群は8.0カ月で、ハザード比は0.64(同:0.52-0.80、p<0.0001)で、ベバシズマブ併用の有効性が示された。

 サブ解析は、年齢(65歳未満、65歳以上)、トリプルネガティブ(有、無)、転移部位の数(3未満、3以上)、骨のみの病変(有、無)、内臓病変(有、無)、無病期間(12カ月以下、12カ月超)、術後化学療法(有、無)に分けて比較された。

 その結果、すべてのサブグループでベバシズマブ併用群のPFSは、非併用群に比べて延長していた。例えば、カペシタビン投与の場合、転移部位が3未満(345人)では併用群のPFSは10.2カ月、非併用群は6.4カ月、3以上(270人)ではそれぞれ6.6カ月、4.2カ月だった。タキサン系製剤かアントラサイクリン系製剤の場合、転移部位が3未満(341人)では併用群のPFSは10.3カ月、非併用群は8.5カ月、3以上(281人)ではそれぞれ8.5カ月、6.8カ月だった。

 ただし、カペシタビン投与の場合、年齢で65歳以上(153人)、トリプルネガティブ有(137人)、骨のみの病変有(57人)、無病期間12カ月以下(154人)、術後化学療法無(171人)では、PFSハザード比の95%信頼区間の上限が1を上回っていた。これについてDieras氏は、「人数が少ないため統計的に有意ではなかった」とコメントした。

 タキサン系製剤かアントラサイクリン系製剤の場合も、65歳以上、トリプルネガティブ有、骨のみの病変有のサブグループではPFSハザード比の95%信頼区間の上限が1を上回った。

 転移性乳癌に対する化学療法とベバシズマブ併用の有効性は、このRIBBON-1試験のほか、フェーズ3試験のAVADO試験(ドセタキセルとベバシズマブ併用)とE2100試験(パクリタキセルとベバシズマブ併用)でも示されている。今回のサブ解析により演者らは、「さまざまな臨床的特性や病歴のある患者でも併用のベネフィットが明らかになった」とした。