米Eli Lilly社は、葉酸代謝拮抗薬のペメトレキセド(商品名:アリムタ)を、ステージIIIB/IVの非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対する維持療法として用いたフェーズ3試験で、無増悪生存期間と全生存期間に有意な延長がみられたと発表した。利益は扁平上皮癌以外の組織型を示す患者で特に大きかった。詳細は、9月20日付のLancet誌電子版に報告された。

 「NSCLCに対して維持療法を行う」というのは比較的新しい考え方といえる。これまでは、4サイクルのプラチナ製剤ベースの化学療法が終わると、再発がみられるまでは治療を行わなかった。今回の結果は維持療法の有用性を示した。

 研究者たちは、20カ国の83医療機関で、進行した非小細胞肺癌の患者に支持療法(best supportive care)とともに、ペメトレキセドまたは対照を投与するフェーズ3試験を行った。

 ステージIIIB/IVのNSCLCで、第1選択であるプラチナ製剤ベースの治療を4サイクル終えて以降に進行がみられない患者663人を登録。ペメトレキセド500mg/m2を21日サイクルで投与する介入群(441人)または対照群(222人)に割り付けた。全員にビタミンB12、葉酸、デキサメタゾンを投与した。

 主要エンドポイントは無増悪生存期間、2次エンドポイントは全生存期間に設定し、intention-to-treatで分析した。

 無増悪生存期は介入群で4.3カ月、対照群で2.6カ月と、介入群で有意に長かった(ハザード比:0.50、95%信頼区間:0.42-0.61、p<0.0001)。全生存期間の中央値も、介入群13.4カ月、対照群10.6カ月で(ハザード比:0.79、95%信頼区間:0.65-0.95、p=0.012)、有意な差がみられた。

 患者を扁平上皮癌グループとそれ以外のグループに分けると、前者では介入群の全生存期間が9.9カ月、対照群は10.8カ月で、ペメトレキセドの有用性は認められず、後者ではそれぞれ15.5カ月と10.3カ月で、5カ月を超える生存期間の延長が示唆された。

 治療関連の有害事象による治療中止は介入群で多かった(5%対1%)。グレード3/4の薬剤関連有害事象も介入群に多くみられた(16%対4%、p<0.0001)。特に多かったのは、貧血(3%対1%)、好中球減少症(3%対0%)、疲労感(5%対1%)など。

 NSCLC患者の約7割が、扁平上皮癌以外の腺癌や大細胞癌の組織型を示す。得られた結果は、扁平上皮癌以外のNSCLCの患者にペメトレキセドを用いた維持療法を行うことによって、生存期間が延長する可能性を示した。

 米食品医薬品局(FDA)は2009年7月に、局所進行型または転移性で扁平上皮癌ではないNSCLC患者に、維持療法としてペメトレキセドを用いることを許可している。適用は、プラチナ製剤を用いた第1選択の治療を4サイクル行って以降、進行がみられない患者としている。欧州でもほぼ同時期に同様の許可が出ている。

 米国ではペメトレキセドを、扁平上皮癌ではないNSCLC患者に第1選択薬としてプラチナ製剤と併用すること、進行した扁平上皮癌ではないNSCLC患者で再発したケースに第2選択薬として単剤で用いること、切除不能または治癒的切除の対象にならない胸膜中皮腫の患者にシスプラチンと併用することが認められている。