ベルギーUniversity Hospital GhentのM. Peeters氏

 転移性大腸癌に対するセカンドラインとして、抗上皮成長因子受容体EGFR)抗体製剤のパニツムマブFOLFIRIレジメンに加えて投与すると、KRAS遺伝子が野生型の患者では有意に無増悪生存期間(PFS)を改善し、患者も投与に十分耐えられることが明らかとなった。無作為化多施設フェーズ3試験の結果、示されたもの。成果は、9月20日から24日までドイツ・ベルリンで開催されている第15回欧州癌学会(ECCO)・第34回欧州臨床腫瘍学会ESMO)でベルギーUniversity Hospital GhentのM. Peeters氏(写真)によって発表された。

 発表されたフェーズ3試験は、2006年6月から2008年3月までに登録された1186人の前治療歴1回の転移性大腸癌患者を、FOLFIRIレジメンのみを受ける群(595人)とFOLFIRIレジメンに加えてパニツムマブを2週間置きに6.0mg/kg投与される群(591人)に割り付けて行われた。KRAS遺伝子の変異解析は、投薬が終わった後に行われた。1186人中1083人でKRAS遺伝子の状態が判明し、597人(55%)が野生型で、486人(45%)が変異型だった。主要評価項目はPFSと全生存期間(OS)だった。

 KRAS野生型の群では、PFS中央値がFOLFIRIレジメンに加えてパニツムマブを投与した群では、5.9カ月だったのに対して、FOLFIRIレジメンのみを受けた群は3.9カ月だった。ハザード比0.73(95%信頼区間:0.593-0.903、p=0.004)で有意の併用群でPFSが延長されていた。OS中央値はFOLFIRIレジメンに加えてパニツムマブを投与した群では、14.5カ月だったのに対して、FOLFIRIレジメンのみを受けた群は12.5カ月だった。ハザード比0.85(95%信頼区間:0.702-1.039、p=0.115)で統計学的に有意ではなかったが併用群で延長される傾向にあった。奏効率はパニツムマブ併用群で35%、非併用群で10%だった。

 KRASが変異型の患者ではパニツムマブの併用群と非併用群でPFS、OS、奏効率には差はなかった。

 副作用は、抗EGFR抗体の副作用として知られる皮疹、下痢、低マグネシウム血症、接種反応以外は、パニツムマブ併用群と非併用群で大きな差はなかった。