化学療法やホルモン療法を受けている転移性乳癌患者の、血液中に存在する腫瘍細胞(Circulating Tumor Cells:CTCs)の検査で陽性(CTCが5個以上)であることと、CTスキャンなどの放射線を用いた画像検査(イメージング)で分かる転移癌の進行は、強く相関するようだ。米Lambardi総合癌センターのMinetta Liu氏らの研究成果が、9月14日付けのJournal of Clinical Oncology誌電子版で報告された。

 化学療法やホルモン療法を受けている転移性乳癌患者には、治療に反応しているかどうかを調べるためのCTスキャンや超音波検査を定期的に行う必要がある。Liu氏らは、CTCの検査がこうしたイメージングに代わる方法にならないかと考え、前向き研究を行った。

 先の研究で、転移性乳癌患者では、血液7.5mL中にCTCが5個以上存在する場合に、無増悪生存期間の短縮が予測できると報告されていたことから、今回もCTC数が5個以上(陽性)か5個未満(陰性)かによって患者を2分し、分析した。

 進行性の転移性乳癌で、画像検査により病巣が確認できる患者が、新たな治療(化学療法またはホルモン療法)を開始する時点で被験者として登録。米食品医薬品局(FDA)の承認を得ている米Veridex社の「CellSearch」技術を用いて、CTC数を3〜4週おきに調べた。イメージングは9〜12週ごとに行った。

 追跡期間の中央値は13.3カ月。CTC数とイメージングの結果の両方がそろっていた患者は68人、無増悪生存期間を分析できたのは74人だった。

 得られたデータは、CTCが陽性であることと、イメージングによって分かる転移癌の進行に、強力な相関が存在することを示した。この関係は、イメージング当日の血液だけでなく、それより7〜9週前に採取された血液においても有意だった。

 受けている治療によって患者を層別化し、さらに分析したが、どのグループでも相関は有意だった。なお、無増悪生存期間が特に短かったのは、治療開始から3〜5週と7〜9週の時点でCTCが陽性だったグループだ。

 これらの結果から、CTC数を指標とすれば、イメージングによる検出よりも早い段階で治療がうまくいっていないことが分かり、より早く治療法の変更を検討する機会が得られるというわけだ。従って、CTC数を指標とする観察は、患者に生存期間の延長をもたらす可能性がある。

 さらにCTC数を継続的に調べれば、イメージングを定期的に行う必要はなくなるかもしれない。CTCが陽性になったらメージングを行うことにすれば、不要な被曝とコストアップも防ぐことができ、患者のQOLは改善されるだろう。