慢性歯周炎があると、頭頸部癌のリスクが大幅に高まるようだ。歯周炎の進行に従って、頭頸部癌のリスクも増すという。米ニューヨーク州立大学バッファロー校のMine Tezal氏らの研究結果が、Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌9月号(2009,18,2406-2412)に掲載された。

 慢性歯周炎は、頭頸部癌の最も一般的なタイプである扁平上皮癌の独立したリスク要因であるとことを示唆していると、Tezal氏は述べている。

 この研究では、米Roswell Park癌研究所の、原発性の頭頸部扁平上皮癌患者266人と、同時期に歯科等で検査を受けた癌ではない207人を対象として、慢性歯周炎の頭頸部扁平上皮癌への影響を比較している。

 歯周炎の進行度は、歯を支える土台の骨、歯そう骨の喪失でみた。その結果、歯そう骨が1mm喪失するごとに、頭頸部の扁平上皮癌のリスクが 4.36倍も増えることが分かった。この結果は、年齢、性別、人種・民族、結婚歴、喫煙、飲酒、欠損歯の数で調整したもの。

 慢性歯周炎の影響は、口腔癌で最も大きく、口腔咽頭癌、喉頭癌と続いた。

 喫煙は頭頸部癌の明らかなリスク要因であるが、まったく喫煙歴のない人でも、慢性歯周炎と頭頸部癌との関係は同様だった。

 歯周病の予防と治療は、頭頸部癌の予防に役立つと考えられそうだ。