経口のマルチキナーゼ阻害剤linifanib(ABT-869)が、手術不能または転移性の肝細胞癌に有効である可能性が明らかとなった。多施設オープンラベルで行われたフェーズ2試験の結果示されたもの。10月からはフェーズ3試験が開始される。この成果は9月4日から6日にイタリアのミラノで開催された第3回International Liver Cancer Association年会で、シンガポール国立大学病院のWei Peng Yong氏が発表した。

 フェーズ2試験は、全身化学療法を全く受けたことのない、もしくは1回だけ受けた手術不能または転移性の肝細胞癌患者44人を対象に行われた。肝障害度を示すがChild-Pugh分類がAの患者(38人)は毎日、Bの患者(6人)は1日置きに0.25mg/kgのlinifanibが投与された。投与は病状が進行するか、毒性のため投与できなくなるまで行われ、最長で18カ月とした。Child-Pugh分類がCなどの患者は対象外だった。全患者の年齢中央値は62.5歳で、アジア人が89%を占めていた。主要評価項目は、無増悪期間(TTP)、全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)だった。

 試験の結果、TTP中央値は3.7カ月(95%信頼区間:3.6-7.3)、OS中央値は9.3カ月(95%信頼区間:6.0-11.0)、ORRは6.8%(95%信頼区間:1.4-18.7)だった。

 副作用は、20%以上の頻度で発生したもの(全グレード)は倦怠感23人(52.3%)、下痢18人(40.9%)、高血圧16人(36.4%)、皮疹14人(31.8%)、蛋白尿9人(20.5%)。10%以上の頻度で発生したグレード3以上の副作用は高血圧7人(15.9%)、倦怠感6人(13.6%)だった。