英Royal Marsden病院のAndrew Davies氏らは9月9日、欧州の患者を対象とする、癌性突出痛に関する初めての大規模調査の第1段階の結果を第6回EFIC会議で報告した。得られた結果は、現時点の突出痛管理は不十分で、より適切な送達経路を用いて即効性の高い鎮痛薬を投与する方法を確立する必要があることを示した。EFIC会議は、ポルトガルで9月9日から12日までの開催。

 これまでにも癌患者の痛みに関する調査は複数行われてきたが、癌性突出痛に対象を限定した調査はこれが初めて。患者登録は現在も進行中だが、今回は英国、スウェーデン、デンマークの緩和ケアユニットで登録された200人についてのデータが公表された。

 突出痛の実態の概要は以下の通り。
・患者が経験する癌性突出痛イベントは1日平均3回。
・1回のイベントは平均60分継続。
・突出痛イベントの96%が中等度から重度。
・87%の患者において突出痛は日常生活(睡眠、歩行、他の人々とのコミュニケーションなど)に支障を来している。

 また、痛みの管理状況について明らかになったのは以下の通り。
・98%の患者が経口薬を使用。
・痛みの軽減が感じられるのは20分後。
・鎮痛作用が明らかに感じられるのは30分後。

 研究者たちは、突出痛は持続痛とは大きく異なることを指摘した。持続痛には、1日中一定の効果が得られる鎮痛薬が必要だ。突出痛は、持続痛に対する薬剤を使用中でも突然現れ、患者に強い痛みをもたらす。突出痛に対する望ましい治療は、即効性があり作用時間が短い鎮痛薬の使用だ。また、使用方法は簡単でなければならない。

 現在、突出痛のある患者には経口オピオイドが処方されているが、この薬剤の作用特性は突出痛管理に適していない。他の経路からのオピオイドの送達、たとえば経鼻投与が、こうした患者に対する鎮痛に適していることを今回の調査結果は示唆した。

 この研究には、スイスNycomed社が教育的助成金を提供している。