日本消化器外科学会は、消化器外科専門医の指定修練施設(認定施設および関連施設)を対象に、2007年に行った手術について調べた「消化器外科データベース委員会2008年度調査報告」をホームページで公開した。

 調査対象施設は2360施設(回答率は62.0%、1464施設)。2007年の1年間に実施した手術について、術式やその後の経過を尋ねた。44万230例が報告され、術死は1665例、在院死は2384例で、両者を合わせた死亡率は0.92%と、高水準の手術が実施されていることが明らかになった。

 さらに、主な術式である食道切除再建術、胃縫合術、胃切除術、胃全摘術、結腸右半切除術、腸閉塞手術、高位前方切除術、低位前方切除術、肝外側区域切除、肝切除術、胆嚢摘出術、膵頭十二指腸切除術、腹部ヘルニア・鼠径ヘルニア手術、急性汎発性腹膜炎手術――の計14術式について、専門医の関与の有無を調べた。

 専門医が術者だった場合、助手だった場合、関与しなかった場合の3通りに分けて各術式の死亡率をみたところ、半数を超える術式において、専門医が手術に関与すると、関与しない場合に比べて死亡率が低下する傾向がみられた。結腸右半切除術では、専門医が術者や助手だった場合、関与しなかった場合に比べ死亡リスクがほぼ半減した。また、食道切除再建術でも、専門医が術者だった場合、関与しなかった場合よりも死亡リスクが約6割低かった。

 一方、胆嚢摘出術や肝外側区域切除では専門医が関与した方がリスクが高いという結果が得られた。これについて、消化器外科データベース委員会の一員である福島県立医科大学第1外科の後藤満一氏は「専門医が、リスクが高い患者や手術困難な患者を多く担当したためではないか。術式だけの区分では解析に限界がある」と指摘した。

 日本消化器外科学会では、より詳細なデータベースの構築を目指し、用語の統一やプログラムの開発に取り組んでいるという。