武田薬品工業は8月24日、子会社の武田バイオ開発センターと米Amgen社が行っている進行・再発の結腸・直腸癌を対象としたフェーズ3試験で、KRAS遺伝子に変異がない患者に、FOLFIRI療法に加えて抗上皮成長因子受容体(EGFR)抗体製剤のパニツムマブを投与すると、FOLFIRI療法単独群に比べて無増悪生存期間中央値が有意に延長できたと発表した。抗EGFR抗体の効果とKRAS変異の関係がプロスペクティブな試験で証明されたのは、恐らく初めてという。

 ただし、全生存期間中央値については、パニツムマブ併用群で延長したものの、統計学的な有意差は認められなかった。また、KRAS遺伝子に変異がある患者では、パニツムマブ併用による効果は確認されなかった。

 成果の詳細は9月20日からドイツ・ベルリンで開催される欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表される。今回の発表は、武田バイオ開発センターと米Amgen社が追加的に実施しているフェーズ3試験のうち、一部の主要解析結果が得られたため公表した。パニツムマブは既に国内でも承認申請中で、今回の結果は参考情報として、厚生労働省に提出される。

 フェーズ3試験は、進行・再発の結腸・直腸癌患者1186人を対象にセカンドライン治療として行われたもの。無増悪生存期間と全生存期間が主要評価項目とされた。この試験は、当初全ての登録患者の治療効果を比較する計画だった。しかし、抗EGFR抗体の結腸・直腸癌に対する効果が、KRAS遺伝子の変異の有無と関連していることがわかってきたため、KRAS遺伝子の変異の有無を考慮して治療効果を解析する試験計画に変更された。今回の試験では90%以上の登録患者でKRAS遺伝子変異の有無が確認されている。