ビタミンDの欠乏は、乳癌の遠隔転移や死亡リスクの予測因子になるようだ。カナダ・マウントシナイ病院のPamela J. Goodwin 氏らの研究結果が、Journal of Clinical Oncology誌8月10日号(2009,27,3757-3763)に掲載された。

 研究の対象は、1989年から1996年に早期の乳癌と診断された平均50.4 歳の512人で、平均11.6 年の追跡調査を行っている。ビタミンD(25-ヒドロキシビタミンD)濃度は、保存血液を使用して測定された。

 対象者の血中ビタミンD濃度は平均 58.1nmol/Lで、37.5%の患者で欠乏(50nmol/L未満)しており、38.5%の患者が不十分(50〜72nmol/L)、 24.0%の患者が十分(72nmol/L超)なレベルだった。追跡期間中に、116人の女性が遠隔転移を経験し、106人の女性が死亡した。

 ビタミンDが欠乏していた女性は、十分なレベルに達していた女性と比較して、遠位転移のリスクが 94%、死亡リスクが73%高かった。この傾向は交絡因子で調整しても変わらなかったが、多変量解析では同71 %、64%高いという結果になった。

 血中ビタミンDレベルと乳癌の発症リスクとの関連についてはこれまでにも報告されているが、今回の結果で、血中ビタミンDレベルが予後にも影響することが示された。

 ビタミンDは、皮膚が紫外線に当たることで体内で合成できる栄養素。食品では、サケやウナギのような脂肪の多い魚、キノコ類に多く含まれる。