癌研有明病院消化器外科の比企直樹氏はこのほど、胃癌患者を対象に、EPA(エイコサペンタエン酸)を配合した栄養機能食品「プロシュア」(販売元:アボット ジャパン)の、体重減少抑制作用をみる臨床試験を計画していることを明らかにした。

 癌患者は、精神的ストレスや化学療法の副作用による食欲減退、治療に伴う消化管の狭窄・閉塞などのため、十分な栄養が摂取できなくなる場合が多い。さらには、「癌に対する免疫応答として炎症性のサイトカインが増加し、代謝異常を来すことも体重減少の原因の一つ」と比企氏。エネルギー代謝の亢進やたんぱく質の分解、体脂肪の減少を引き起こす。さらには、癌細胞から放出される「たんぱく質分解誘導因子(PIF)」が、筋たんぱくの崩壊を促すと考えられている。

 EPAは、炎症性のサイトカインやPIFの産生を抑制する作用を持つ。海外で行った臨床試験では、1パックに1gのEPAを含む「ProSure」(プロシュアの海外品)を1日2回摂取することで、栄養状態の悪い肺癌患者の化学療法中の体重増加や、膵癌患者の体重及び除脂肪体重の有意な増加が確認された。

 癌患者は約半数で体重減少、3人に1人は5%以上の体重減少を経験するという。体重減少と、それに伴う身体活動性の低下は、QOLを低下させる要因の一つとなっている。比企氏は、「癌患者のQOLを維持するには、治療の早期からの十分なエネルギー補給と炎症の抑制が重要」と語る。なお、プロシュアを用いた臨床試験の開始時期や試験方法については検討中という。

 プロシュアは、キャラメル味の飲料で1パック240mLにEPA1g、フラクトオリゴ糖2.6g、食物繊維2.3g、L-カルニチン24mgなど含む。この6月から全国のがん拠点病院の売店などで販売している。価格はオープン。