東京大学医学部付属病院トランスレーショナルリサーチセンター副センター長の藤堂具紀氏は8月10日、再発した膠芽腫の患者を対象に、がん治療用ヘルペスウイルス「G47デルタ」のフェーズ1/2試験(臨床研究)を開始すると発表した。

 G47デルタは、口唇ヘルペスのウイルスである単純ヘルペスウイルス1型に、人工的に三つの変異を起こしたもの。正常細胞を傷つけることなく癌細胞の中だけで増殖し、癌細胞を次々に破壊する。

 試験の対象となる患者の選択基準は、既に手術を受けていて、病理診断で膠芽腫と診断されていること、放射線治療後に腫瘍が再発、あるいは放射線治療中の腫瘍が増大していること、病変はMRI造影で1cm以上、一つだけであることなど。

 用量は3例ずつ3段階で増量し、最大投与量でさらに12例、合計21例に行う。評価期間は投与後3カ月。被験者の登録は8月下旬を予定している。詳しくは同病院トランスレーショナルリサーチセンターのホームページ参照。

 再発した膠芽腫には確立した治療法はなく、再発後の生存期間は5〜9カ月とされる。5年生存率は、過去40年間ほぼ変わらず低い。