スイスHoffmann-La Roche社は8月3日、転移性の腎細胞癌に対するベバシズマブ(商品名:アバスチン)とインターフェロン(IFN)αの併用が米食品医薬品局(FDA)に承認されたと発表した。

 米国癌協会によると、腎癌は米国で8番目に多い癌で、2009年にはおよそ1万3000人の米国人が腎癌で死亡するとみられる。腎癌の中で最も多いのが腎細胞癌だ。

 ベバシズマブは血管新生を促す血管内皮成長因子(VEGF)に特異的に結合し、癌細胞の増殖を阻害する。欧州では、進行性・転移性の腎細胞癌患者に対するファーストライン治療として、ベバシズマブとIFNαの併用が2007年に承認されている。米国では今回の承認により、5種の癌に対してベバシズマブが承認されたことになる。

 今回のFDAの承認は、未治療の転移性の腎細胞癌患者649人を対象とした大規模フェーズ3試験(AVOREN試験)のデータに基づく。AVOREN試験では、IFNα単剤を投与した群に比べて、ベバシズマブとIFNαを併用した群で無増悪生存期間(PFS)が67%延長した(ハザード比:0.60、95%信頼区間:0.49-0.72)。PFSの中央値でみると、IFN-α単剤群は5.4カ月、ベバシズマブとIFN-αの併用群は10.2カ月で、併用群では89%延長した。

 本来この試験は、全生存期間(OS)を評価するためにデザインされていたが、FDAおよび欧州規制当局との協議に先立ち、PFSのデータが認可の根拠として受理された。

 さらにAVOREN試験の副次的評価項目の一つである腫瘍の縮小は、IFNα単剤群の12%に対し、ベバシズマブとIFNαの併用群では30%だった。444人が死亡した後の最終解析によるOSには改善が認められず、中央値は単剤群21カ月、併用群23カ月だった(ハザード比:0.86、95%信頼区間:0.72-1.04)。

 有害事象は、ベバシズマブまたはIFNαについてすでに報告されているものと一致していた。