0 仏sanofi-aventis社と完全子会社の米BiPar Sciences社は7月17日、転移性乳癌に対するBSI-201のフェーズ3試験を開始することを発表した。

 同試験で対象となるのは、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体の発現もHER2過剰発現もないトリプルネガティブ乳癌患者。全乳癌の15%から20%を占めるトリプルネガティブ乳癌は、他の乳癌のサブタイプに比べて侵襲性や転移率が高く、生存率も悪いことが知られている。

 試験は、多施設共同の無作為化試験で、ゲムシタビンおよびカルボプラチン(GC)にBSI-201を併用した場合の安全性と有効性を評価する。BSI-201は、DNA修復に関与するPARP1を阻害する最新の標的治療薬で、化学療法剤との併用で投与する。

 試験では、これまで0回から2回の前治療を受けた患者420人をBSI-201とGCの併用療法、またはGC療法のみのいずれかに無作為に割り付ける。GC療法のみの群では、増悪が見られた段階でBSI-201の投与が受けられる。試験の主要目的は無増悪生存期間および全生存期間の改善についての評価で、副次的目的は客観的奏効率と安全性を評価することだ。

 試験は全米の60カ所から75カ所の施設での実施が予定されており、登録した全ての患者がBSI-201の投与を受けられることが重要なポイントだ。

 同試験の開始は、今年5月に開かれた米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されたフェーズ2試験の結果に基づき決定された。フェーズ2試験には、トリプルネガティブ乳癌患者116人が参加し、臨床的有用性が示された患者の割合は、BSI-201とGC療法を併用した群で約62%だったのに比べ、GCのみの群では21%だった(p=0.0002)。また、抗腫瘍効果が示された患者の割合はBSI-201とGCとの併用群で48%、GCのみの群で16%だった。

 BSI-201の投与群における無増悪生存期間の中央値は6.9カ月で全生存期間は9.2カ月だったのに対し、GC療法のみの群ではそれぞれ3.3カ月と5.7カ月だった。