細胞間橋を形成する細胞間接着分子であるデスモソームの主要構成要素であるDesmocollin2(DSC2)が、膀胱癌の「扁平上皮癌」と「尿路上皮癌」の鑑別に使えそうだ。7月23日から24日に旭川市で開催された日本がん転移学会で、広島大学大学院医歯学総合研究科分子病理学研究室の林哲太郎氏が発表した。

 膀胱には扁平上皮という組織はないが、膀胱癌の約5%は扁平上皮癌の特徴を持った癌で、(これを膀胱扁平上皮癌と呼ぶ)、大部分を占める膀胱尿路上皮癌に比べて予後不良とされる。しかし両者の鑑別はHE染色(ヘマトキシリン ・エオジン染色)標本では苦慮することもあるという。

 研究グループは、まず食道、子宮、肺の扁平上皮癌の検体でDSC2が高率に陽性と認識されることを確認した。その後、膀胱扁平上皮癌と膀胱尿路上皮癌の検体を使って評価を行った。

 DSC2抗体で免疫染色を行ったところ、膀胱扁平上皮癌の24人(グレード2が3人、グレード3が3人、ステージ0-1が4人、ステージ2-4が20人)では陽性率100%、膀胱尿路上皮癌の86人(グレード1-2が62人、グレード3が24人、ステージ0-1が40人)では陽性率0%だった。

 尿路上皮に特異的なマーカーであるUroplakinIII UPIII抗体による染色では膀胱扁平上皮癌で陽性率が0%で、膀胱尿路上皮癌で42%の陽性率だった。サイトケラチン7/20の発現パターンの免疫染色では正確に鑑別できなかった。