プロテアソームのサブユニットであるLMP2の発現の有無を調べることが子宮平滑筋肉腫(LMS)の鑑別に利用できる可能性が明らかとなった。LMSの44件の臨床検体では1件を除いてLMP2の発現がなくなっていたのに対して、正常組織、良性である子宮平滑筋腫(LMA)ではすべてLMP2が発現していた。

 成果は7月23日から24日に旭川市で開催された日本がん転移学会で信州大学大学院医学研究科臓器移植細胞工学系の林琢磨氏が発表した。現在信州大学とシグマアルドリッチ社が共同で鑑別キットの開発を進めているという。

 LMSはリスクファクターが不明で、既存の治療法に抵抗性を示し、ほぼ全例で血行性転移が起こる予後不良の難治性腫瘍。40歳以上の女性の約4割に起こるLMAとは、核磁気共鳴画像法(MRI)やPET-CTなどの画像診断では区別が難しいとされる。

 通常、術後摘出生検の病理診断によって確定診断を行うが、LMAとLMSの鑑別マーカーが同定されておらず、病理診断には熟練を要する。

 林氏によると、詳細なメカニズムは分かっていないが、LMS細胞株はLMP2を発現させると正常化することが分かっている。また、LMP2が失われると、特定のたんぱく質が分解されたり、されなかったりといったことが起こるという。さらに林氏は、LMS細胞においてLMP2の発現が低下するにしたがって、血行性転移に関与するサイトカインの発現が高まることも確認している。