米Bayer Healthcare Pharmaceuticals社と米Onyx Pharmaceuticals社は、2009年7月22日、経口マルチキナーゼ阻害型抗癌剤であるソラフェニブ(商品名:ネクサバール)と、同じく経口抗癌薬のカペシタビンを、局所進行または転移性のHER2陰性乳癌の患者に併用したフェーズ2試験で、無増悪生存期間の有意な延長が見られたと発表した。経口投与可能な薬剤の組み合わせは、患者にとって好ましい治療の選択肢を提供することになりそうだ。

 ソラフェニブは世界各国で肝臓癌と腎臓癌の患者に適用されているが、乳癌に対する有用性が示されたのはこれが初めて。

 試験の対象は化学療法歴が1回以下の患者229人。ソラフェニブ400mgまたは偽薬と、1000mg/m2のカペシタビンをそれぞれ1日2回投与する無作為化二重盲検で行われた。カペシタビンは14日間連続で投与し、その後7日間休薬するサイクルで用いられた。主要評価項目は無増悪生存期間、2次評価項目は全生存期間、無増悪期間、安全性などとした。

 無増悪生存期間の中央値をソラフェニブ/カペシタビン併用群と偽薬/カペシタビン投与群で比較したところ、統計学的な有意差が見られたという(p=0.0006)。安全性と忍容性に予想を超える問題は認められなかった。データの分析結果は近々学会発表される予定だ。

 ソラフェニブを乳癌治療に用いる臨床開発は、いくつかの異なる設定で現在進行中だ。フェーズ2試験も、ソラフェニブとパクリタキセルを第1選択として併用する試験、ベバシズマブ治療後に病気が進行した患者にソラフェニブとゲムシタビンまたはカペシタビンを用いる試験、ソラフェニブに加えてドセタキセルまたはレトロゾール、あるいはその両方の追加を第1選択として用いる試験などが行われている。