米Array BioPharma社は、7月15日、進行した固形癌の患者を対象とする「ARRY-162」のフェーズ1試験の開始許可を米食品医薬品局(FDA)に申請したと発表した。経口投与可能な「ARRY-162」は、同社が独自に開発しているMEK信号伝達経路阻害薬の中で、治験申請段階に至った最初の薬剤になった。

 MEKは癌細胞の増殖と生存に関わるRAS/RAF/MEK/ERK経路において重要な役割を果たすたんぱく質リン酸化酵素だ。メラノーマ、非小細胞肺癌、頭頸部腫瘍、膵臓癌などにおいてMEKの活性化がしばしば見られており、特にRAS、RAFといった癌遺伝子に変異がある腫瘍での活性化が顕著だ。

 同社は「ARRY-162」を癌と炎症性疾患を対象として開発している。炎症性疾患領域では、活動性関節リウマチの患者200人を登録した二重盲検のフェーズ2試験がほぼ終了しており、忍容性が認められている。有意な薬力学的反応も見られた。

 現在MEK阻害薬の開発競争が活発化しているが、同社は「ARRY-162」は多剤に優る有効性と安全性、薬物動態特性を持つと考えている。

 オープンラベルで行われるフェーズ1試験は、進行癌患者に毎日投与した場合の安全性、薬物動態特性、薬力学特性の評価と最大耐用量の決定を目的としている。同社は2009年第3四半期の試験開始をめざしている。

 同社が開発したMEK阻害薬のひとつである「ARRY-886」(現在は「AZD6244」と呼ばれている)は、同社と英AstraZeneca社との独占的な協力関係の成果として生まれ、英AstraZeneca社が世界的な権利を得て癌領域での臨床試験を進めてきた。英AstraZeneca社は2009年6月に米Merck社と契約を結び、米Merck社の「MK-2206」と「AZD6244」の併用の可能性も探ることにした。