アストラゼネカは7月13日、乳癌の術後療法であるアナストロゾールの長期投与によって骨折が増加する傾向は見られなかったと発表した。閉経後の乳癌患者を対象に行った同調査のデータは、7月3日から4日に東京に開催された第17回日本乳癌学会学術総会で報告された。

 同社は閉経後乳癌患者へのアナストロゾール長期投与に対するレトロスペクティブ調査を行った。調査の目的は、アナストロゾールが骨に与える影響を明らかにし、適正使用に関する情報を得ることとされた。
 
 対象は、アナストロゾールの使用成績調査に登録された患者2416人。骨折率は年に1.13%(95%信頼区間 0.90-1.41)と、投与期間と骨折率との関連は示されなかった。一方で、年齢と関節炎や関節痛の既往が骨折の増加に関与していることも分かった。

 なお、骨密度が測定されていた症例は17.2%、5年無再発率は86.8%だった。

 アロマターゼ阻害剤であるアナストロゾールは、国内では、ホルモン感受性のある閉経後乳癌に対する術後療法として利用されている。海外で行われた術後の大規模試験であるATAC(Arimidex, Tamoxifen, Alone or in Combination)においては、それまで標準治療とされていたタモキシフェンと比較して、有意に無病生存率と再発までの期間を改善させたことなどが示された。ところが同試験において、タモキシフェンよりも有意に骨折や骨粗鬆症の発生率が高いことも示されている。
 
 同社は、アナストロゾールを長期に使用することで懸念されていた骨への影響について初めて明らかとなったことと、日本人での5年無再発率が得られたことにおいて今回の調査は重要であるとしている。