抗RANKL抗体denosumabは、乳癌骨転移に対して有効性が報告されているビスホスフォネート製剤ゾレドロン酸(商品名:ゾメタ)よりも、骨転移の合併症である骨関連事象(SRE)の発生を抑制することが、2剤を直接比較した国際的なフェーズ3試験で明らかになった。米Amgen社が7月7日に発表した。

 denosumabは、RANKL(NFκB活性化受容体リガンド)に特異的に結合して、破骨細胞による骨破壊を抑制する完全ヒトモノクローナル抗体製剤。RANKLは破骨細胞の分化や活性、生存に重要な蛋白質。Denosumabは骨転移のほか、骨粗鬆症や多発性骨髄腫、関節リウマチにおいて臨床試験が進められている。

 フェーズ3試験は無作為化二重盲検法によって、骨転移のある進行乳癌患者2049人を対象に、骨転移の治療として4週おきのdenosumab皮下注射もしくは4週おきのゾレドロン酸静脈注射を行った。治療効果はSRE(病的骨折、脊髄圧迫、骨病変に対する放射線照射、外科手術)の発生頻度や発生までの期間で評価された。

 試験の主要評価項目として、SREの初回発生におけるdenosumabのゾレドロン酸に対する非劣性が検討された。副次評価項目はSREの初回発生および次の発生に関してdenosumabの優越性を評価すること、さらに安全性と忍容性を評価することとしていた。

 その結果、denosumab群のSRE初回発生までの期間がゾレドロン酸群に比べて有意に延長し(ハザード比は0.82、95%信頼区間0.71-0.95)、主要評価項目を達成した。副次評価項目についてもdenosumab群でゾレドロン酸群に勝る効果が示された(ハザード比は0.77、95信頼区間0.66-0.89)。全生存期間と無増悪生存期間は2群間でほぼ同じであった。

 安全性については、denosumabとゾレドロン酸のいずれも新たな有害事象は認められなかった。ただし、顎骨壊死が、以前行われたdenosumabの別のフェーズ3試験では見られなかったが、今回の試験ではdenosumab群でもゾレドロン酸群でも認められ、発生頻度は2群間で統計的に有意な違いはなかった。

 詳細な有効性と安全性のデータは今年の後半期に開催される学術集会で発表される予定だ。