脂身の多い牛肉や豚肉、乳製品たっぷりの食事は、膵癌の発症率を高めることが、米国で52万人以上を対象にした試験の結果、明らかになった。米国立癌研究所(NCI)のAnne C. M. Thiebaut氏らが6月26日、Journal of the National Cancer Institute誌電子版に発表した。

 対象は、NIH-AARP(米国立衛生研究所-全米退職者協会)の登録者52万5473人。これらの人々は、1995年から96年に124項目の食品の摂取頻度についてアンケートに回答している。

 平均6.3年の追跡期間に、1337人(男性865人、女性472人)が膵癌と診断された。脂肪の摂取量で5グループに分けて比較したところ、膵癌の発症率は、脂肪の総摂取量に相関した。最も摂取量が多いグループの46.8(10万人年)に対し、最も摂取量が少ないグループは33.2(10万人年)、その両者のハザード比は1.23(95%信頼区間1.03-1.46)だった。なお、膵癌の発症率は、エネルギー摂取量や喫煙歴、BMI(体格指数)、糖尿病の既往で補正している。

 脂肪の種類別で解析すると、肉や乳製品に多く含まれる飽和脂肪酸との相関が最も強かった。こうした動物性食品からの飽和脂肪酸摂取量が最も多いグループの膵癌の発症率は52.0(10万人年)、最も少ないグループは32.2(10万人年)という結果に。その両者のハザード比は1.43(95%信頼区間1.20-1.70)。一方、青魚やアマニ油、シソ油に多い多価不飽和脂肪酸の摂取量については、膵癌の発症率との関連が見られなかった。

 膵癌は、米国の癌死の第4位の死因になっているものの、乳癌や大腸癌に比べて罹患者数が少なく、このような大規模試験を行うのが難しかった。同誌の解説でDana Farber癌研究所のBrian M. Wolpin氏は、「今回の前向きコホート研究は、新たな洞察が必要とされる疾患の、理解を深めるうえで歓迎されるもの」と記している。