米Cell Therapeutics社(CTI社)は6月22日、ピクサントロンの臨床開発に関する最新データを公表した。非ホジキンリンパ腫に有効であることが改めて示された。詳細は、カナダOttawa総合病院のRichard Van der Jagt氏らが、環太平洋リンパ腫会議2009で報告した。

 ピクサントロンは、アントラサイクリンの抗癌活性は維持しながら、心臓毒性を低減することを目指して設計された薬剤。CTI社はフェーズ3 EXTEND試験(PIX301)で主要評価項目が達成されたことをすでに報告している。今回は、この試験の追跡データとサブグループ解析の結果が公表された。

 対象となったのは、複数の薬剤を併用する化学療法を二通り以上受けている再発性または難治性の悪性非ホジキンリンパ腫の患者で、アントラサイクリンに対する感受性は維持している140人。無作為にピクサントロンの単剤投与(70人)、または、この種の患者に標準的に用いられる化学療法薬の単剤投与(70人)に割り付けた。

 完全寛解(CR)または不確定完全寛解(CRu)を達成した患者の割合は、ピクサントロン群では70人中17人(24%)、標準治療群では70人中5人(7%)と、ピクサントロン群で有意に高かった(p=0.009)。

 ピクサントロン群の全奏効率(治療群に占めるCR、CRu、部分寛解のいずれかを達成した患者の割合、70人中28人で40%)は、対照群のそれ(70人中10人、14.3%)を有意に上回った(p=0.001)。

 サブグループ解析を行ったところ、あらかじめ設定されたすべてのサブグループにおいて、奏効率はピクサントロン群のほうが高かった。65歳以上の患者では、ピクサントロン群のCRかCRuの人の割合(CR/CRu)は26.1%(23人中6人)、客観的奏功率(ORR)は47.8%(23人中11人)、対照群ではCRやCruの達成者はなく、ORRは5.6%(18人中1人)だった。

 直近の治療を受けてから再発を見た患者グループでは、ピクサントロン群のCR/CRuは28.8%(28人中8人)、ORRは50%(28人中14人)。対照群はそれぞれ6.7%(30人中2人)と16.7%(30人中5人)。

 先の治療に反応しなかった難治性の患者グループでは、ピクサントロン群のCR/CRuは15%(40人中6人)、ORRは30.0%(40人中12人)、対照群ではそれぞれ5.0%(40人中2人)と12.5%(40人中5人)。

 国際予後指数(IPI)が2以上の患者グループでは、ピクサントロン群のCR/CRuは18.0%(50人中9人)、ORRは32%(50人中16人)、対照群はそれぞれ5.9%(51人中3人)と15.7%(51人中8人)だった。

 この試験の追跡は現在も進行中だ。

 環太平洋リンパ腫会議2009では、無作為化フェーズ3(PIX302)の追跡結果と、フェーズ2(AZA106)試験の結果も報告された。PIX302は、再発した緩慢性非ホジキンリンパ腫の患者を対象に、ピクサントロン+リツキシマブとリツキシマブ単独の有効性を比較した試験で、ピクサントロンの追加によりCR(ピクサントロン追加群が35%、リツキシマブ単剤群が11%)、ORR(同75%と33%)、無増悪期間(同13.2カ月と8.1カ月)がすべて改善した。

 AZA106は、多発性再発を見た緩慢性非ホジキンリンパ腫患者に、ピクサントロン+フルダラビン+リツキシマブ(FPD-Rレジメン)を投与した試験で、高いCR/CRu(70%)とORR(89%)が見られた。ほぼ全員に、第一選択薬としてCHOP-R(シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロンとリツキシマブを用いる)が用いられていた。

 CTI社は2009年4月、米国で、再発性または難治性の悪性非ホジキンリンパ腫を対象とするピクサントロンの承認申請の段階的提出(rolling submission)を開始している。