米国Peregrine Pharmaceuticals社は6月16日、脳腫瘍の一つである多形性神経膠芽腫GBM)の患者において、放射線同位体で標識したモノクローナル抗体Cotara」が、正常な臓器に比べ、腫瘍の部分に特異的に集積されることをフェーズ1試験の線量測定で明らかにしたと発表した。生存期間の延長も認められた。

 Cotara (131I-chTNT-1/B Mab)はヨウ素131で標識されたモノクローナル抗体。同社によると、腫瘍の中心には、死んだ、あるいは死にかけた腫瘍細胞があり、そのDNAとヒストンの複合体にCotaraが結合する。そして周囲の生きた腫瘍細胞をモノクローナル抗体で死滅させる。つまり腫瘍の内側から腫瘍細胞を攻撃できるので、正常な細胞への影響が少なくなるという。

 今回の試験では、線量測定によって、甲状腺や胃、心臓、骨髄、および正常脳と比較して、腫瘍にはCotaraが平均で300倍も集積することが示された。なおCotaraは、Convection Enhanced Delivery (CED)法という特殊な方法によって、血液脳関門(BBB)を通過する。

 多形性神経膠芽腫を再発した患者の場合、標準的な治療では生存期間中央値が24週間程度だが、今回の試験では、それを超える生存期間が確認された。

 このフェーズ1試験は、米国で患者登録を継続中。さらにはフェーズ2試験もインドで行っている。

 多形性神経膠芽腫は、悪性度が高く手術をしても大半が数カ月以内に再発するため、術後の化学療法や放射線療法を必要としている。