スイスCelgene International Sarl社は6月8日、第14回欧州血液学会議で報告された多数の試験データにより、レナリドミド(商品名:REVLIMID)が多発性骨髄腫患者に強力で持続的な奏効をもたらすことが証明されたと発表した。これらの報告は、前例のない生存期間の延長につながる、長期の病勢コントロールと管理可能な安全性プロファイルによる利益を支持するものである。

 同学会で発表されたレナリドミドの試験結果について同社は、レナリドミドが持つ2つの作用、すなわち骨髄腫細胞を直接殺す作用と独特の免疫促進効果により、長期にわたって疾患をコントロールすることが示されたと歓迎した。

 以下に4件の試験の結果を紹介する。対象は、再発性または難治性の多発性骨髄腫患者である。

 MM-019試験はドイツで行われた第3b相非比較研究。レナリドミドとデキサメタゾンによる治療に奏効が示されるまでの時間を検討したもので、ドイツUniversity Hospital in TubingenのKatja Weisel氏が報告した。濃厚な前治療にもかかわらず、患者の約3/4で部分奏効以上の治療成績が得られた。奏効は速やかで、患者の半数で最初の治療コースの間に認められたという。

 患者は1回以上の前治療(移植、ボルテゾミブやサリドマイドの投与など)を受けており、疾患の進行や毒性の出現、脱落まで、28日コースの治療を繰り返し受けた。

 M蛋白と血清遊離軽鎖(FLC)の値の測定による奏効の情報は113人から得た。4人は完全奏効、80人は部分奏効、28人は安定で、1人は疾患が進行した。M蛋白またはFLCが50%減少するまでの時間でみると、奏効までの時間の中央値は28日で、患者の39%は2週以内に奏効した。

 MM-009/MM-010試験は第3相の国際試験で、最新データのサブセット解析でレナリドミドとデキサメタゾンによる治療期間と奏効の関連性が明らかになった。スペインUniversity Hospital of Salamanca in SalamancaのJesus San Miguel氏は、治療期間と最良の奏効の維持期間が長いほど全生存期間(OS)が延長することを示した。

 生存期間の推定中央値は、部分奏効以上を達成後も同治療を継続した患者174人で50.9カ月、有害事象や同意による脱落などで早期に治療を中止した患者38人で34.95カ月だった。患者特性を考慮しても、生存期間は治療を継続した患者で長かった。

 MM-009/MM-010試験とレナリドミドの単剤療法の大規模第2相試験について発表した米国Moffitt Cancer Center & Research InstituteのRachid Baz氏は、レナリドミドによる治療で免疫グロブリンA(IgA)の値が高まり、患者の免疫性を改善したと発表した。

 IgA値は多発性骨髄腫患者では低下することが多く、主な死因である再発性の細菌感染に関連するが、本試験では、IgA値は治療に奏効した患者においてのみ、有意に改善し正常化した。ベースラインでIgA値が正常だったのは、MM-009/MM-010試験およびMM-014試験で奏効を示した患者のそれぞれ30%と17%だった。治療でIgA値が正常化したのは、MM-009/MM-010試験で7サイクルまでに56%、MM-014試験で5サイクルまでに50%であった。

 IgA値が改善しなかった患者に比べ、IgA値が正常化した患者では無増悪生存期間(29〜77週間)および全生存期間(121〜220週間)が有意に延長した。

 MM-009/MM-010試験のサブセット解析の結果は最近、「European Journal of Hematology」誌に掲載され、レナリドミドとデキサメタゾンによる治療を初回再発時に開始する利益を証明している。

 前治療を1回受けた患者は2回以上受けた患者に比べ、レナリドミドとデキサメタゾンによる治療で無増悪期間の中央値(17.1カ月対10.6カ月)、無増悪生存期間の中央値(14.2カ月対9.5カ月)、完全奏効または非常に良好な部分奏効(39.8%対27.7%)、全生存期間の中央値(42.0カ月対35.8カ月)などの転帰で有意な改善を示した。

 「治療コースの早期にレナリドミドとデキサメタゾンで治療を行うと、患者に利益をもたらす可能性があることが示唆された。レナリドミドとデキサメタゾンの併用を多発性骨髄腫患者のセカンドライン治療として考えるべき」と米国University of PennsylvaniaのAbramson Cancer CenterのEdward A. Staudtmauer氏は結論した。