ドイツMicromet社は、BiTE抗体blinatumomab(MT103)のフェーズ2試験の中間解析で、B前駆細胞型の急性リンパ芽球性白血病(ALL)患者において81%と高い奏効性が示されたと発表した。このフェーズ2試験はGerman Multicenter ALL Study Group (GMALL)によって実施された。

 BiTE抗体blinatumomabは、抗CD19抗体と抗CD3抗体の2種類の抗体の可変領域(VHとVL)が連結した形をとっている。そのためT細胞に発現しているCD3と結合して、T細胞を活性化させるだけでなく、CD19を発現しているBリンパ腫細胞とT細胞を引き寄せることにより、Bリンパ腫細胞を溶解してアポトーシスを誘導する。

 試験の対象は、化学療法によって完全寛解に至ったB前駆細胞型ALLで、骨髄には検出できる程度のALL細胞、いわゆる微小残存病変(MRD)が残っている患者とした。一般に、微小残存病変のある患者の予後は、微小残存病変のない患者に比べて不良であるといわれている。

 フェーズ2試験では、ALL細胞の消失をMRD奏効として定義し、主要エンドポイントの到達を治療4サイクル以内のMRD奏効率が22%以上と設定した。1サイクルはblinatumomabの4週間投与と2週間休薬とした。

 その結果、評価できた患者16人のうち13人(81%)でMRD奏効が見られ、主要エンドポイントに達した。またイマチニブやダサチニブといったBCR-ABL阻害剤が不応のBCR-ABL陽性の患者でも奏効性が認められた。副作用としては投与後24〜48時間に一時的な発熱やリンパ球減少、白血球減少が認められた。

 治験責任医師であるRalf Bargou氏は、「GMALLが成人ALLの地固め療法として試験した薬剤の中で、blinatumomabは効果的な薬剤の一つだ。この試験によるBlinatumomabの高い抗腫瘍効果と良好な安全性プロファイルは非常に喜ばしいもので、この結果は予後不良で治療の選択肢がなかった患者にとって特に重要だろう」と述べている。これらの成果は第14回欧州血液学会議(EHA)で報告されたという。