カナダAEterna Zentaris社は6月8日、放射線治療を受ける非小細胞肺癌患者にシグナル伝達阻害薬ペリホシンを投与したフェーズ2試験の予備的結果を発表した。

 この二重盲検の無作為化試験多施設フェーズ2試験は、オランダ癌研究所の協力を得て、オランダ、ブルガリア、ルーマニア、マケドニア、ベラルーシで行われた。

 対象となったのは、転移性ではないが手術が適用にならず、放射線治療を受けることになった非小細胞肺癌患者177人。病期は多くがステージIIIだった。

 試験の目的は、ペリホシンが放射線治療の効果を増強できるかどうかを明らかにし、安全性を評価することにあった。

 4週間の放射線治療を開始する1週間前から放射線治療終了までの5週間、ペリホシン150mg/日または偽薬を経口投与した。追跡は、放射線照射部位に再発または進行が見られるまで行った。

 主要エンドポイントは照射部位における再発または進行までの時間に設定。特に、治療終了から12カ月後の時点で再発または進行がない患者の割合に焦点を当てた。

 2次エンドポイントは、より広範囲の再発や進行または遠隔転移、奏効率、全生存率とし、安全性は、臨床検査値、心電図、肺機能、有害事象について評価した。

 治療後12カ月間に再発または進行が認められなかった患者は26人に留まった。ペリホシン群では95人中14人(14.7%)、偽薬群82人中12人(14.6%)で、両群間に差なし。より広範囲の再発または進行についても有意差は見られなかった。

放射線治療終了時点で奏効率を比較したが、やはり差はなかった。一方で、ペリホシン群の、特に化学療法歴がない患者には、生存期間延長傾向が見られた。試験設計に変更を要するような安全上の問題は認められず、有害事象の種類と重症度は予想の範囲内だった。

 研究者たちは、今回の試験では、遠隔転移が予想を上回る頻度で発生しており、そのためにペリホシンの利益が示せなかった可能性があると考えている。

 しかし同社によると、今後、ペリホシン開発の焦点は多発性骨髄腫と転移性大腸癌に絞られる可能性がある。これらを適応症とするフェーズ2試験は、いずれも好結果を示しており、詳細はすでに学会で報告されている。