進行性大腸癌で過去にFOLFOXで奏効または安定を認めた患者におけるオキサリプラチン再導入の有効性は、FOLFOX導入の奏効率と無増悪生存期間(PFS)、FOLFOX導入の最終サイクルとFOLFOX再導入の1サイクル目の間の期間、すなわちオキサリプラチンを使用しなかった期間によることがわかった。5月29日から6月2日に米国オーランドで開催された第45回米国臨床腫瘍学会(ASCO2009)のPoster Discussionで、フランスHospital Saint AntoineのA. de Gramont氏が発表した。

 フルオロピリミジンとオキサリプラチンの併用は、転移性大腸癌患者に対する標準的なファーストライン治療である。ファーストライン治療の奏効率は高いが、患者の多くは最終的に疾患の進行を経験する。

 Gramont氏らは以前の報告で、転移性大腸癌でオキサリプラチンによる前治療を行いその後進行した患者にオキサリプラチンを再導入したところ、PFSの中央値が18週となり、患者の73%で病勢コントロールが可能であったことを示した。

 今回、同氏らは、オキサリプラチンによる前治療を行った転移性大腸癌患者のオキサリプラチン感受性を定義するため、オキサリプラチンを再導入したOPTIMOX1試験およびOPTIMOX2試験の対象患者とアジュバント療法またはネオアジュバント療法でオキサリプラチンを投与し転移巣を手術した患者について、臨床特性と生存の転帰を解析した。

 OPTIMOX1試験では、FOLFOX7施行後に維持療法(ロイコボリンと5FUの投与)を行い、その後FOLFOX7を再導入する群と、FOLFOX4のみを行う群の比較が行われている。OPTIMOX2試験では、FOLFOX7施行後に維持療法を行い、その後FOLFOX7を再導入する群と、FOLFOX7施行後に休薬し、その後FOLFOX7を再導入する群を比較した。

 Gramont氏らは330人(男性60%)を解析した。大腸、直腸、大腸と直腸の両方の割合は、62%、35%、2%であった。切除可能と切除不可能の割合は、14%と86%、PS 0〜1と1以上の割合は90%と10%、部位が1か所と2か所以上の割合は57%と43%であった。

 本解析では対象中22人がアジュバント療法、55人がネオアジュバント療法でFOLFOX(±ロイコボリンと5FU)を施行し、その後FOLFOXを再導入していた。253人は切除不能でFOLFOXを施行し、進行前にFOLFOXを再導入した。
 
 FOLFOX導入の奏効でみたFOLFOX再導入からのPFSおよび全生存期間(OS)は、完全奏効(CR)では8.7カ月と19.5カ月、部分奏効(PR)では4.6カ月と15.2カ月、安定(SD)では3.2カ月と9.7カ月であった。

 さらに、FOLFOX導入のPFSでみたFOLFOX再導入からのPFSとOSは、6カ月未満の場合は2.9カ月と9.3カ月、6〜12カ月の場合は4.6カ月と14.7カ月、12カ月を超える場合は8.5カ月と23.7カ月であった。

 FOLFOX再導入の奏効率について、導入FOLFOXの最終サイクルとFOLFOX再導入の1サイクル目の間、すなわちオキサリプラチンを使用しなかった期間でみると、CR+PR、SD、進行(PD)は、6カ月未満ではそれぞれ15%、30%、52%、6〜12カ月では24%、39%、24%、12カ月を超えると35%、36%、11%であった。

 解析結果から、オキサリプラチンを使用しなかった期間が1年以上の場合は感受性がある集団、6〜12カ月の場合は部分的に感受性を示す集団、6カ月未満の場合は部分的に耐性を示す集団と定義される。

 Gramont氏らは今後のオキサリプラチンについて、ステージIIIの大腸癌患者のアジュバントFOLFOX施行後に再発した患者のファーストライン治療での併用や、セカンドラインのイリノテカンベースの治療後の再導入を検討し、さらに分子標的薬と併用するオキサリプラチンベースの化学療法の有効性についても研究を進めたいとしている。