PARP阻害剤であるOlaparib(AZD2281)がフェーズ2試験で進行性の卵巣癌に有効であることが5月29からオーランドで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)のオーラルセッションで Cedars-Sinai Outpatient Cancer CenterのM.W. Audeh氏によって報告された。同試験は、OlaparibをBRCA1/2変異のある卵巣癌患者に投与したもので、有効性および認容性ともに良好な結果が得られた。

 Olaparib(AZD2281)は経口のPARP阻害剤で、BRCAに変異のある細胞に作用する。

 同試験は、進行性の卵巣癌患者57人を対象に行われた。患者のステージは3B/3C/4期で前治療でプラチナベースの化学療法を1回以上実施したことがあり、BRCA1/2に変異のある患者が対象となった。試験はOlaparibを400mg投与する群33人と100mgを投与する群24人とに振り分けられ、それぞれ28日サイクルで投与された。

 患者の年齢中央値は、400mg投与群が54歳、100mg投与群が56歳と差はなかった。また、BRCAを遺伝子検査で明確にしたところ、BRCA1変異が400mg投与群は21人(64%)で100mg投与群が19人(79%)、BRCA2変異は400mg投与群で12人(36%)、100mg投与群で5人(21%)だった。

 試験の結果、RECIST基準による奏効率は、400mg投与群で33%、100mg投与群で13%と高用量群で有意に有効性が高かった。効果の詳細をみてみると、完全奏効(CR)は400mgで6%、100mgでは0人、部分奏効(PR)は400mgで27%、100mgで13%、安定状態(SD)は100mgで33%、100mg29%、増悪(PD)は400mgで27%、100mgで50%だった。また、無増悪生存期間は、400mg投与群で5.8カ月(2.4-12か月)であるのに対して、100mg投与群で1.9カ月(1.8-3.7か月)と高用量である400mg投与群で有意に期間が長かった。

 主な有害事象は、400mg投与群では吐き気が64%、倦怠感が52%、下痢が37%で、100mg投与群では、吐き気が63%、倦怠感が54%、下痢が29%で投与量による違いはみられなかった。しかし、有害事象によって試験中止となったのは400mg投与群12%、100mg投与群で4%、有害事象によって試験が中断されたのは400mg投与群で36%、100mg投与群で17%、また、投与量を減少したのは400mg投与群で27%、100mg投与群で0人といずれも400mg投与群に多くみられた。

 これらの結果から、新規薬剤であるOlaparibは遺伝的に判定されたBRCA変異をもつ卵巣癌の治療に有効であると結論づけられた。また、発表を行ったAudeh氏は、同剤は同じくBRCA1/2の変異を持ち、化学療法に不応で進行性の乳癌に対しても有効である点を指摘した。今回の患者を対象にしたさらなる研究が現在進行中である。