EGFR(上皮細胞成長因子受容体)とHER2(ヒト上皮細胞成長因子受容体2)の2つのチロシンキナーゼを不可逆的に阻害する経口剤BIBW 2992は、EGFR変異を有する非小細胞肺癌(NSCLC)腺癌患者の二次治療として有効であることが、フェーズ2試験(LUX-Lung2)で明らかになった。5月29日から6月2日にオーランドで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、台湾National Taiwan University HospitalのJ. Shih氏とC-H. Yang氏らが発表した。

 LUX-Lung2試験には2007年10月からステージ3B/4の肺腺癌で、未治療あるいは治療歴のある409人(台湾302人、米国107人)が登録された。このうちEGFR変異を有する104人に対してBIBW2992を投与した。今回は二次治療として投与した73人について、主要評価項目である奏効率や安全性の結果が報告された。

 BIBW2992は1日1回50mgもしくは40mgを病勢進行あるいは過度の毒性が現れるまで投与した。ただし、有害事象が発生した場合、開始投与量が50mgであれば40mgか30mgに、開始投与量が40mgであれば30mgか20mgに減量可能とした。

 評価できた二次治療の67人のうち、PRは43人(64%)、SDは21人(31%)、PDが3人(4%)で、奏効率は64%(95%信頼区間 52-76%)、病勢コントロール率は96%(同87-99%)となった。

 無増悪生存期間(PFS)の中央値は10.2カ月(95%信頼区間 7.5-17.7カ月)で、40人の患者では現在も治療を継続しており、治療期間は最長で18.8カ月であるという。

 安全性は70人について評価された。皮膚関連の有害事象が89.0%、下痢が86.3%と高頻度に見られ、グレード3の有害事象はそれぞれ17.8%、16.4%だったが、支持療法や減量によって管理可能であったとした。BIBW2992を50mg投与した患者では有害事象のため、37人が40mgに、18人が30mgに減量し、4人は投与中止した。

 一次治療としてBIBW2992を投与した結果は今後開催される学術集会で発表される見込み。また未治療のNSCLC患者を対象とした国際的なフェーズ3試験(LUX-Lung3)では、まもなく患者登録を開始するという。併せて、三次・四次治療としてのフェーズ2b/3試験(LUX-Lung 1)は現在進行中だ。