UFTとCMF療法(シクロホスファミドメトトレキサート5-FU)を比較した2つの無作為化臨床試験(CUBC、N-SAS-BC01)を統合解析した結果、ER陽性で、特に50歳以上の乳癌女性では、UFTの無再発生存率が標準治療の一つであるCMF療法と同等であることが確認された。この結果は、東京大学大学院医学系研究科の大橋靖雄氏らによって、5月29日から6月2日にオーランドで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)のポスターセッションで発表された。

 研究グループは、CUBC 試験とN-SAS-BC01試験のデータを用いて、術後補助化学療法としてのUFTのCMF療法に対する非劣性を検討した。CUBC 試験では、リンパ節転移陽性の患者を対象に、UFTとタモキシフェンの併用とCMF療法とタモキシフェンの併用が比較された。一方のN-SAS-BC01試験は、リンパ節転移陰性の高リスク患者を対象に、UFTとCMF療法が比較され、ER 陽性患者に対してはタモキシフェンを併用した。

 この結果、5年無再発生存率(RFS)はUFT群(529人)で82.6%、CMF群(528人)は84.2%であり、ハザード比は1.04 (95%信頼区間 0.78-1.40)だった。続いて、ER陽性患者に限定すると、5年RFSはそれぞれ85.5%、84.1%、ハザード比は0.79 (97.5%信頼区間 0.49-1.27)となった。この解析では非劣性の限界値をハザード比で1.30未満と設定していた。そのためER陽性においてはUFTの非劣性が証明されたことになる。

 さらに年齢による違いを見た結果、ER陰性の50歳未満では5年RFSがUFT群は76.5%、CMF群は85.3%と、UFT群のほうが不良であったが、ER陽性の50歳以上では、それぞれ88.1%、83.6%、ハザード比は0.58(95%信頼区間0.34-1.01)と、UFT群で良好な傾向を示した。このほかER陰性の50歳以上ではそれぞれ83.2%、82.2%で、ER陽性の50歳未満では81.3%、84.8%となった。

 このため研究グループは、ER陽性乳癌の再発を抑制する上では、UFTはCMF療法に対して非劣性であり、特に50歳以上のER陽性の患者でより効果が高いだろうとした。